何故ウクライナはドネツクの民間人地区を攻撃し続けるのか?(要点)
ロシア軍が特別軍事作戦を開始して以降も止まらない、ドンバスに対するキエフ軍の砲撃についての解説記事の要点。
Why Does Ukraine Keep Attacking Civilian Areas in Donetsk?
ドネツク人民共和国の人権委員会に拠ると、2022年に戦闘作戦の結果として少なくとも1,091人の民間人が死亡し、更に3,533人が負傷したと記録されている。この数字には悲劇の全容がまだ評価されていないマリウポリ等の場所は含まれていない。これら計4,624名の死傷者は、キエフ軍によるドネツクとゴロフカの都市部に対する定期的な砲撃の犠牲者だ。
キエフ軍の軍事資源は限られているにも関わらず、彼等は軍事目標ではなく平和な住宅地を狙うことを止めてはいない。これは通常、ロシア語話者に対する純粋な憎悪の結果だと説明されることが多い(ティモシェンコ元首相は核兵器を使うべきだと主張し、ポロシェンコ前大統領は、「我々の子供達は学校や幼稚園に通うでしょう。彼等(ロシア語話者)の子供達は地下シェルターに座るでしょう」と発言している)。
キエフ政府は2014年以降こうした人道犯罪を否認し、2022年以降はロシア軍が自軍の支配下に在る地域を何故か自虐的に攻撃したと云う馬鹿げた主張まで繰り返している。
民間攻撃の主目的は、恐らく心理的効果だと考えられる。ドンバス軍の95%は地元住民で構成されている為、キエフ軍は民間人を攻撃することによって、前線に居る兵士達に街へ戻るよう心理的圧力を掛けることが出来る。
但し前線が固定している時であれば、民間人への攻撃は前線から気を逸らせるのに役立つが、前線が移動している時には、兵士達を激怒させることによって逆に士気を高めてしまう効果も生む。最前線が移動していた特別軍事作戦開始初期に砲撃が殆ど止んだのは、敵をこれ以上やる気にさせてしまうことを恐れてのことだろう。
民間人への攻撃は、軍事と政治の分裂をも生む。軍事目標の達成と人的資源の節約に関心を持つ軍事指導者達と、民間の有権者達の利益を代表し、砲撃テロを迅速に終わらせたい政治家達との思惑にズレが生じて、軍事戦略にも深刻な影響を与えるのだ。
Why Does Ukraine Keep Attacking Civilian Areas in Donetsk?
ドネツク人民共和国の人権委員会に拠ると、2022年に戦闘作戦の結果として少なくとも1,091人の民間人が死亡し、更に3,533人が負傷したと記録されている。この数字には悲劇の全容がまだ評価されていないマリウポリ等の場所は含まれていない。これら計4,624名の死傷者は、キエフ軍によるドネツクとゴロフカの都市部に対する定期的な砲撃の犠牲者だ。
キエフ軍の軍事資源は限られているにも関わらず、彼等は軍事目標ではなく平和な住宅地を狙うことを止めてはいない。これは通常、ロシア語話者に対する純粋な憎悪の結果だと説明されることが多い(ティモシェンコ元首相は核兵器を使うべきだと主張し、ポロシェンコ前大統領は、「我々の子供達は学校や幼稚園に通うでしょう。彼等(ロシア語話者)の子供達は地下シェルターに座るでしょう」と発言している)。
キエフ政府は2014年以降こうした人道犯罪を否認し、2022年以降はロシア軍が自軍の支配下に在る地域を何故か自虐的に攻撃したと云う馬鹿げた主張まで繰り返している。
民間攻撃の主目的は、恐らく心理的効果だと考えられる。ドンバス軍の95%は地元住民で構成されている為、キエフ軍は民間人を攻撃することによって、前線に居る兵士達に街へ戻るよう心理的圧力を掛けることが出来る。
但し前線が固定している時であれば、民間人への攻撃は前線から気を逸らせるのに役立つが、前線が移動している時には、兵士達を激怒させることによって逆に士気を高めてしまう効果も生む。最前線が移動していた特別軍事作戦開始初期に砲撃が殆ど止んだのは、敵をこれ以上やる気にさせてしまうことを恐れてのことだろう。
民間人への攻撃は、軍事と政治の分裂をも生む。軍事目標の達成と人的資源の節約に関心を持つ軍事指導者達と、民間の有権者達の利益を代表し、砲撃テロを迅速に終わらせたい政治家達との思惑にズレが生じて、軍事戦略にも深刻な影響を与えるのだ。
- 関連記事
-
-
セルビア:戦争の兆候———コソボ紛争の厳しい将来(要点) 2023/02/28
-
イランの騒動でフェイクニュースが大爆発(結論部分のみ) 2023/02/27
-
何故ウクライナはドネツクの民間人地区を攻撃し続けるのか?(要点) 2023/02/26
-
機密文書:ドイツ連邦軍はロシアとの戦争を準備中(要点) 2023/02/26
-
モルドバは「次のウクライナ」かも知れない(要点) 2023/02/25
-
スポンサーサイト