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永遠に終わらない現在〜ウクライナ独立の30年〜(要点)

2021/08/24(ウクライナの独立記念日)に公開された、ウクライナ独立とその後の30年を振り返るドキュメンタリー。アメリカ帝国によるウクライナ支配の試みの30年だとも言える。これまでの経緯の復習がてら、要点を纏めてみた。
The Everlasting Present - Ukraine 30 years of InDependence



 ・ソ連の解体とウクライナの独立は、世論に逆行した資本主義勢力のクーデターとでも呼ぶべき代物だった。

 ・ワシントンの外交的介入と、CIAが匿って来たナチ協力者の支援はこの時点から強化されていた。

 ・ソ連が解体し共産主義経済圏が消滅したことで、産業大国だったウクライナの産業は衰退し、紙幣が紙クズと化す極度のインフレに見舞われて人々の生活は窮乏した。そもそも国家として独立する用意が出来ていなかったのだ。

 ・そこへ米国が「助言」したり「支援」したりする新自由主義政策が追い討ちを掛け、ロシアを筆頭として旧ソ連圏全体で進行していた民営化(資産強奪)と犯罪的オヒガルヒ台頭の波にウクライナも飲み込まれた。

 ・歴史の改竄を含む(人工的)ナショナリズムもこの時期に広まり、米国とロシアの圧力に負けて核保有も放棄した。

 ・米国の脅迫とセットになった経済的支援が有っても給料や年金や奨学金の支払いは停止し、人材は流出、輸入品によって国内市場は荒らされて予算獲得は困難になった。

 ・西洋諸国は自国の産業に対抗出来る勢力が復活するのを望まず、ウクライナの産業には投資しなかった。

 ・2000年代になって経済は多少上向きになったが、ウクライナの「民主主義と自由市場」の実態は、寄生虫的な政治的エリートと経済的エリートが癒着する寡頭制で、米国はこの犯罪集団を支援した。

 ・だが完全に米国寄りの姿勢を見せないクチマ大統領にワシントンは業を煮やし、ジャーナリストのゴンガゼ殺害事件を利用してクチマを排除した。

 ・西洋のカラー革命組織が強化されて米国議会が人権問題を口実に制裁法案を通したが、2004年にロシア寄りのヤヌコヴィッチが選挙で大統領に選ばれた為にワシントンは腐敗に対する人々の怒りを利用して「オンレジ革命」を仕掛け、その結果米国が選んだユシチェンコが大統領になった。

 ・西洋からの貸付によってウクライナの債務は激増し、NATO加盟の可能性が初めてここで示された。その為に「西洋の価値観」と「プーチンの脅威」が声高に叫ばれる一方で、経済は悪化し、カネも産業も仕事も無くなった。

 ・人々の生活を犠牲にした米国の「グランド・チェスボード」を巡る政治ゲーム(「ウクライナ抜きでは、ロシアは大国として復活出来ない」)を背景に、ナチ・イデオロギーが「ウクライナのナショナリズム」として公然と復権させられ、若者達の怒りを(米国ではなく)ロシアに誘導した。2006年からは1930年代の様なバンデラ主義者が鉤十字の旗を掲げてが行進する光景が当たり前のものとなり、西部のガリチア・ナショナリズムが国全体のアイデンティティを反ロシアに作り変えて行ったが、東部の人々はこれに反対した。

 ・2010年にヤヌコヴィッチが改めて当選すると、米露双方に歩み寄るクチマ路線を復活させたが、腐敗した(ウクライナの大規模な組織的腐敗は、ウクライナの政界をコントロールしようとする米国の介入の産物だ)ヤヌコヴィッチは強いチームを作り上げて米国の圧力に抵抗することに失敗し、台頭するナショナリズムも抑えられなかった。

 ・(ヤヌコヴィッチの対抗馬だった)オリガルヒのティモシェンコが汚職で逮捕されると、政治犯だと宣伝されたが、実際には犯罪は本物で、ティモシェンコはクチマ繋がりの人物だった。
 
 ・2013年にマイダン・クーデターが勃発。西洋の政府・諜報部・多国籍企業が支援する、違法で暴力的な陰謀による権力奪取だったが、様々な犯罪に対する捜査は行われず。ウクライナ東部の人々はクーデターの結果を認めなかった。

 ・プーチンは住民選挙の結果を受けたクリミアのロシアへの併合(帰還)を認めたが、取り残されたドンバスの人々に対しては、ナチの「対テロ作戦」の名の下で軍事的虐殺が始まり、「オデッサの虐殺」では結局誰も逮捕されなかった。

 ・親欧米のポロシェンコがクーデター政権の大統領の座に就くと、彼はドンバス戦争をロシアとの戦争だと宣言した。ウクライナは完全に米国の属国となり、政治は勿論、諜報、軍事、経済まで米国やNATOの強い影響下に置かれた。

 ・傀儡だった筈のポロシェンコはトランプを嫌い、2016年の米大統領選に介入してマラフォート選挙対策本部長の排除に成功した(そしてそれをバイデンに報告した)。この「ウクライナゲート」時件は、「ロシアゲート」と云うフェイクニュースによって覆い隠された。

 ・ハンター・バイデンが取締役員を務めるオフショア企業ブリスマは、ウクライナから採れた石油やガスをウクライナに供給せず、マネーロンダリングに関与していた疑いが持たれている。
 
 ・国内問題解決の点では無能の塊だったポロシェンコはポンペオ米国務長官の支援を受けて、ウクライナ人専用の分離教会を設立した。モスクワと繋がる伝統的なウクライナ正教会やその教区員達は物理的な押収や暴力による脅迫を受けた。

 ・「ウクライナの脱ソ連化」が進められる一方、より良い生活を求めてウクライナを脱出する人は600万を超えた。親達の大半は、子供達を国外で学ばせたいと考える様になり、ウクライナの将来に展望を持てない絶望感が広がって行った。

 ・人々は絶望感から、抗議票を投じた———元首相でも政治家でもオリガルヒでもない、単なるコメディアンを大統領に選んだのだ。だがそのオルタナティヴもやはりまたマイダン・クーデターやナチによるドンバス懲罰を支持し、1935年のニュルンベルク法にも似た法を制定して、ウクライナ人口で2番目に大きいロシア人を二級市民に格下げした。ゼレンスキー政権下で、ウクライナのナチは完全復活を遂げることになった。

 ・ウクライナの主権喪失状態だ。ウクライナ抜きで独米だけで決められたノルドストリーム2や、西洋からの借款の条件に定められた、ウクライナの土地への外国人へのアクセス等は氷山の一角。売国奴達は「ロシアの脅威」を口実に、自国をロシア挑発の駒として扱い、米国との「戦略的パートナーシップの強化」を訴えている。

 ・08/24、ウクライナの独立記念日には、国旗が掲揚され、国歌が歌われる。だがこの独立の30年間で、ウクライナの産業は衰退し、人口は減少し、領土は失われ、あらゆる隣国と対立し、そして自国民の利益を後回しにして他国の利益の為に戦っている。自分達の足で自分達の利益の為に自分達の国を作らなければ、独立主権国家とは言えない。ウクライナ人の希望は他国から恵まれ得るものではないのだ。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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