にらめっこに負けるのはどちら? ロシアと米国の核戦争は有り得るか?(要点)
ロシアと米国の核を巡る状況についてのRTの記事から要点を時系列で抜き出してみた。少しだけ補足しておくと、2022年10月にふたつの核軍事演習が実施されたが、ロシアのそれが戦略核、つまり抑止力としての核を想定していたのに対し、NATOのそれは戦術核、つまり「限定的な使用」を想定した「使い易い核」を使用するものだった。
‘Who will blink first?’ Is nuclear war between Russia and the US possible?
・2000年、大統領に就任した年、プーチンはロシアと米国が核弾頭のレヴェルを1,500ユニットまで大幅に削減することを提案。これは2008年までに実行可能であり、将来的に両国の兵器を更に削減することが可能な筈だと発言したが、この提案は無視された。
・2022年初めの時点で、警戒態勢に在る世界最多の核兵器を保有しているのは米国。1,774個の「配備された」弾頭がミサイルに搭載されているか、作戦部隊の基地に配置されている。他方ロシアには1,588発の弾頭しか配備されていないが、在庫総数はワシントンよりも多く、5,977〜5,428発。

・2022/02/27、プーチン大統領はロシアの抑止力部隊に特別戦闘警戒態勢を取るよう命令(ロシアの核戦略には予防攻撃は含まれていない。ロシアが核を使うのは、核兵器によって自国が攻撃されるか、通常兵器であっても自国の存亡に関わる様な攻撃を受けた場合にのみ使用される。プーチンが核による先制攻撃を口にしたことは一度も無い)。
・2022/08/01、核不拡散条約再検討会議でブリンケン米国務長官は、米国は「米国、その同盟諸国、及びパートナーの重大な利益を守る為に、極端な状況でのみ核兵器の使用を検討します」と発言。
・2022/08/23、当時の英国外務大臣で首相候補のリズ・トラス は、必要に応じて核兵器を使用する覚悟が有ると発言。
Liz Truss asked about nuclear weapons: 'I'm ready to do it'
・2022/09/01、プーチン大統領は、「我が国の領土保全が脅かされれば、ロシアと我が国民を守る為にあらゆる手段を講じます。これははったりではありません」と発言。大統領はまたワシントンがキエフに、敵対行為をロシア領土にまで広げる様直接圧力を掛けていること、西洋諸国がロシアは戦場で敗北し、経済的・政治的・文化的、あらゆる主権を奪われるべきだと公然と述べていること、NATO高官がロシアに対する大量破壊兵器使用の可能性について発言していることなどを指摘した。
・2022/09/25、米国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリヴァンは、ワシントンは核兵器の使用の可能性についてモスクワに対応すると発言。
・2022/10/07、ウクライナのゼレンスキー大統領はNATOに対し、ロシア領に対して先制攻撃を仕掛けるよう要請。但しこの翌日、この発言は核攻撃を意味していた訳ではないと釈明を行った。
・2022/10/27、プーチン大統領は、ロシアがウクライナに核攻撃を仕掛ける必要は無いと発言。ロシアの核抑止戦略を再確認し、8月のリズ・トラスの発言は「我々を脅迫しようとする試み」だと考えたから、それに応えて発言したまでだと述べた。
・2022/11/30、ゼレンスキーは、プーチンがウクライナ紛争で核を使用しないと信じていると発言。
中距離核戦力(INF)全廃条約、オープンスカイ(領空開放)条約は既に失効し(どちらも米国の方から一方的に破棄)、まだ残っている米国とロシアの間の二国間軍備管理条約はひとつだけ: 戦略攻撃兵器の更なる削減と制限の為の措置に関する条約(新START)。これは2026年まで有効。だが既に米露間の信頼や透明性は失われ、協議も行われていないので、今後新たな軍縮の動きは期待出来ない。
‘Who will blink first?’ Is nuclear war between Russia and the US possible?
・2000年、大統領に就任した年、プーチンはロシアと米国が核弾頭のレヴェルを1,500ユニットまで大幅に削減することを提案。これは2008年までに実行可能であり、将来的に両国の兵器を更に削減することが可能な筈だと発言したが、この提案は無視された。
・2022年初めの時点で、警戒態勢に在る世界最多の核兵器を保有しているのは米国。1,774個の「配備された」弾頭がミサイルに搭載されているか、作戦部隊の基地に配置されている。他方ロシアには1,588発の弾頭しか配備されていないが、在庫総数はワシントンよりも多く、5,977〜5,428発。

・2022/02/27、プーチン大統領はロシアの抑止力部隊に特別戦闘警戒態勢を取るよう命令(ロシアの核戦略には予防攻撃は含まれていない。ロシアが核を使うのは、核兵器によって自国が攻撃されるか、通常兵器であっても自国の存亡に関わる様な攻撃を受けた場合にのみ使用される。プーチンが核による先制攻撃を口にしたことは一度も無い)。
・2022/08/01、核不拡散条約再検討会議でブリンケン米国務長官は、米国は「米国、その同盟諸国、及びパートナーの重大な利益を守る為に、極端な状況でのみ核兵器の使用を検討します」と発言。
・2022/08/23、当時の英国外務大臣で首相候補のリズ・トラス は、必要に応じて核兵器を使用する覚悟が有ると発言。
Liz Truss asked about nuclear weapons: 'I'm ready to do it'
・2022/09/01、プーチン大統領は、「我が国の領土保全が脅かされれば、ロシアと我が国民を守る為にあらゆる手段を講じます。これははったりではありません」と発言。大統領はまたワシントンがキエフに、敵対行為をロシア領土にまで広げる様直接圧力を掛けていること、西洋諸国がロシアは戦場で敗北し、経済的・政治的・文化的、あらゆる主権を奪われるべきだと公然と述べていること、NATO高官がロシアに対する大量破壊兵器使用の可能性について発言していることなどを指摘した。
・2022/09/25、米国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリヴァンは、ワシントンは核兵器の使用の可能性についてモスクワに対応すると発言。
・2022/10/07、ウクライナのゼレンスキー大統領はNATOに対し、ロシア領に対して先制攻撃を仕掛けるよう要請。但しこの翌日、この発言は核攻撃を意味していた訳ではないと釈明を行った。
・2022/10/27、プーチン大統領は、ロシアがウクライナに核攻撃を仕掛ける必要は無いと発言。ロシアの核抑止戦略を再確認し、8月のリズ・トラスの発言は「我々を脅迫しようとする試み」だと考えたから、それに応えて発言したまでだと述べた。
・2022/11/30、ゼレンスキーは、プーチンがウクライナ紛争で核を使用しないと信じていると発言。
中距離核戦力(INF)全廃条約、オープンスカイ(領空開放)条約は既に失効し(どちらも米国の方から一方的に破棄)、まだ残っている米国とロシアの間の二国間軍備管理条約はひとつだけ: 戦略攻撃兵器の更なる削減と制限の為の措置に関する条約(新START)。これは2026年まで有効。だが既に米露間の信頼や透明性は失われ、協議も行われていないので、今後新たな軍縮の動きは期待出来ない。
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