報告:CIAはロシア国内で破壊工作攻撃を命じている(要点)
2022/12/24、ジャーナリストのジャック・マーフィー氏の個人のウェブサイトに重大なスクープ記事が掲載された。その要点を纏めてみる。
THE CIA IS USING A EUROPEAN NATO ALLY’S SPY SERVICE TO CONDUCT A COVERT SABOTAGE CAMPAIGN INSIDE RUSSIA UNDER THE AGENCY’S DIRECTION, ACCORDING TO FORMER U.S. INTELLIGENCE AND MILITARY OFFICIALS.
Antiwar.comの紹介記事。
Report: The CIA Is Directing Sabotage Attacks Inside Russia
マーフィー氏が3人の元米情報当局者と2人の元米軍当局者に確認したところでは、CIAは欧州のNATO加盟諸国の諜報機関を利用して、ロシア国内で秘密の破壊工作活動を行なっている。2022/02/24のロシア軍の特別軍事作戦以降、ロシア国内では軍事施設、発電所、鉄道で一連の不可解な爆発事件が起こっているが、これはロシア国内に潜んでいたスリーパーセルが秘密通信で指示を受けて活動を開始した結果。4月下旬にロシアの航空宇宙防衛軍の中央研究所で起こった火災では20人以上が死亡しており、CIA報道官は公式には関与を否定しているが、これも諜報員が関与していた可能性が有る。
この秘密作戦自体が開始されたのは少なくとも10年以上前で、鉄道や送電線がよく狙われたが、これらは必ずしも統一された指揮の下で展開されていた訳ではなく、重複する工作が同一の標的を狙った為に互いに支障を来し、ロシアの治安部隊との銃撃戦で死亡者が出たことも有ったと云う。元々はCIAが関与していなかったスパイ・サーヴィスが活動していたのだが、2014年のマイダン・クーデターの後にCIAはスリーパーセルを侵入させる計画を立て始め、2016年のロシアゲート狂言の後で実際に潜入を開始した。これらの秘密作戦を支援するプラットフォームとして設立されたフロント企業の「広範なネットワーク」が存在するが、その中には20年近く前のものも有る。
スリーパーセルの優先事項は2つ:
1)ロシアの治安部隊に発見された時の為に「尤もらしい否認」を用意しておく。
2)ロシアの民間人へのリスクを最小限に抑え、民間人の死者を出さない。
これらのロシア全土に展開するスリーパーセルが秘密指令を受けて活性化されたのは、ロシア軍の特別軍事作戦開始の2日前。2022/02/26にロシア軍の戦車がウクライナ国境を超えた時には、スリーパーセルは既に待ち構えていた。最初の鉄道への破壊工作はベラルーシで行われた。これらの秘密作戦は航空監視支援を受けており、彼等すら知らされていない無人偵察機が、ウクライナとロシアの空域を徘徊している。CIAの指示抜きで混乱を作り出す「レジスタンス・ネットワーク」も活性化され、更にその後ウクライナの諜報機関と特殊作戦部隊が独自の作戦を展開している。
米国政府はロシアで相続いている謎の火災や爆発事件について慎重に沈黙を守っているが、キエフの連中はもっと軽率で、Twitterで度々冗談を言ってクレムリンを挑発している。
・Defense of Ukraine @DefenceU:「不快なまでに暑い夏休みを望むのでない限り、大切なロシアのお客様にはウクライナのクリミアを訪問しないことをお勧めします。日焼け止めを幾ら塗っても、許可されていない場所での喫煙による危険な影響を防ぐことは出来ないからです。」
・Defense of Ukraine @DefenceU:「喫煙は人を殺します!」
・Defense of Ukraine @DefenceU:「ロシアのベルゴロド地域で『熱気により』また弾薬が爆発。ロシアの弾薬が寒さで爆発する可能性が有るかどうかは、数か月以内に分かるでしょう。ロシアに於ける突然爆発の主な原因は、冬、春、夏、秋、喫煙の5つです。」
ウクライナ当局はロシアやロシア占領(解放)地域でのゲリラ攻撃を示唆しており、8月にウクライナの高官はNYタイムズに、クリミアのロシア空軍基地への攻撃を行なったのは「パルチザン」であり、ロシアの弾薬庫を爆破したのはウクライナの「エリート軍事部隊」だと発言している。
これらの攻撃は戦略的と云うより戦術的なもので、ロシアの軍事的選択肢を制限するがそれ自体で大局に影響を与える可能性は低い。但しこうした不用意な挑発行為が紛争をエスカレートさせ、核の衝突に繋がる可能性は残っている。戦争が長引くにつれて一部のNATO加盟諸国はこうした秘密作戦から手を引いたが、米国と主要なNATO同盟諸国は攻撃的な姿勢を保っている。
上述した様にこの記事はマーフィー氏の個人サイトに掲載され、何故大手のメディアに載っていないのかについては詳細は説明されていないものの、諜報部の指示で検閲を受けたことが仄めかされている。ロシア政府は公式にはこうした妨害工作に気が付かないフリをしてはいるが、勿論誰がその背後に居るのかをちゃんと把握している。
THE CIA IS USING A EUROPEAN NATO ALLY’S SPY SERVICE TO CONDUCT A COVERT SABOTAGE CAMPAIGN INSIDE RUSSIA UNDER THE AGENCY’S DIRECTION, ACCORDING TO FORMER U.S. INTELLIGENCE AND MILITARY OFFICIALS.
Antiwar.comの紹介記事。
Report: The CIA Is Directing Sabotage Attacks Inside Russia
マーフィー氏が3人の元米情報当局者と2人の元米軍当局者に確認したところでは、CIAは欧州のNATO加盟諸国の諜報機関を利用して、ロシア国内で秘密の破壊工作活動を行なっている。2022/02/24のロシア軍の特別軍事作戦以降、ロシア国内では軍事施設、発電所、鉄道で一連の不可解な爆発事件が起こっているが、これはロシア国内に潜んでいたスリーパーセルが秘密通信で指示を受けて活動を開始した結果。4月下旬にロシアの航空宇宙防衛軍の中央研究所で起こった火災では20人以上が死亡しており、CIA報道官は公式には関与を否定しているが、これも諜報員が関与していた可能性が有る。
この秘密作戦自体が開始されたのは少なくとも10年以上前で、鉄道や送電線がよく狙われたが、これらは必ずしも統一された指揮の下で展開されていた訳ではなく、重複する工作が同一の標的を狙った為に互いに支障を来し、ロシアの治安部隊との銃撃戦で死亡者が出たことも有ったと云う。元々はCIAが関与していなかったスパイ・サーヴィスが活動していたのだが、2014年のマイダン・クーデターの後にCIAはスリーパーセルを侵入させる計画を立て始め、2016年のロシアゲート狂言の後で実際に潜入を開始した。これらの秘密作戦を支援するプラットフォームとして設立されたフロント企業の「広範なネットワーク」が存在するが、その中には20年近く前のものも有る。
スリーパーセルの優先事項は2つ:
1)ロシアの治安部隊に発見された時の為に「尤もらしい否認」を用意しておく。
2)ロシアの民間人へのリスクを最小限に抑え、民間人の死者を出さない。
これらのロシア全土に展開するスリーパーセルが秘密指令を受けて活性化されたのは、ロシア軍の特別軍事作戦開始の2日前。2022/02/26にロシア軍の戦車がウクライナ国境を超えた時には、スリーパーセルは既に待ち構えていた。最初の鉄道への破壊工作はベラルーシで行われた。これらの秘密作戦は航空監視支援を受けており、彼等すら知らされていない無人偵察機が、ウクライナとロシアの空域を徘徊している。CIAの指示抜きで混乱を作り出す「レジスタンス・ネットワーク」も活性化され、更にその後ウクライナの諜報機関と特殊作戦部隊が独自の作戦を展開している。
米国政府はロシアで相続いている謎の火災や爆発事件について慎重に沈黙を守っているが、キエフの連中はもっと軽率で、Twitterで度々冗談を言ってクレムリンを挑発している。
・Defense of Ukraine @DefenceU:「不快なまでに暑い夏休みを望むのでない限り、大切なロシアのお客様にはウクライナのクリミアを訪問しないことをお勧めします。日焼け止めを幾ら塗っても、許可されていない場所での喫煙による危険な影響を防ぐことは出来ないからです。」
・Defense of Ukraine @DefenceU:「喫煙は人を殺します!」
・Defense of Ukraine @DefenceU:「ロシアのベルゴロド地域で『熱気により』また弾薬が爆発。ロシアの弾薬が寒さで爆発する可能性が有るかどうかは、数か月以内に分かるでしょう。ロシアに於ける突然爆発の主な原因は、冬、春、夏、秋、喫煙の5つです。」
ウクライナ当局はロシアやロシア占領(解放)地域でのゲリラ攻撃を示唆しており、8月にウクライナの高官はNYタイムズに、クリミアのロシア空軍基地への攻撃を行なったのは「パルチザン」であり、ロシアの弾薬庫を爆破したのはウクライナの「エリート軍事部隊」だと発言している。
これらの攻撃は戦略的と云うより戦術的なもので、ロシアの軍事的選択肢を制限するがそれ自体で大局に影響を与える可能性は低い。但しこうした不用意な挑発行為が紛争をエスカレートさせ、核の衝突に繋がる可能性は残っている。戦争が長引くにつれて一部のNATO加盟諸国はこうした秘密作戦から手を引いたが、米国と主要なNATO同盟諸国は攻撃的な姿勢を保っている。
上述した様にこの記事はマーフィー氏の個人サイトに掲載され、何故大手のメディアに載っていないのかについては詳細は説明されていないものの、諜報部の指示で検閲を受けたことが仄めかされている。ロシア政府は公式にはこうした妨害工作に気が付かないフリをしてはいるが、勿論誰がその背後に居るのかをちゃんと把握している。
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