制裁は人を殺すーシリアの生活は生き地獄になった
シリア在住のジャーナリスト、ヴァネッサ・ビーリィ氏の記事。日本人は「北朝鮮がミサイル打った!ケシカランからもっと制裁だ!」とか云うのに慣らされているので感覚が麻痺しているのかも知れないが、「制裁」とは屢々経済的なジェノサイドを意味する。それに国連決議を通したものならともかく、現実にアメリカ帝国陣営が行なっているのは「一方的な強制措置」、国際法にも国内法にも違反する歴とした違法行為であって、人道犯罪に他ならない(根本的には昔の中学校なんかで先輩が後輩に対して行なった「制裁」と変わらない。人権だの民主主義だのとは関係無い、支配する為の行為だ)。制裁が行われると人々の生活が具体的にどう変化するのか、ビーリィ氏の報告は一例として参考になると思ったので、ここに訳出してみた。この様な理不尽で非人道的な仕打ちを何年も、何十年も受け続けて来た国々を捕まえて、「やーい、こいつら貧乏だぜ」などと嘲笑うことは、人として見下げ果てた卑しむべき所業ではなかろうかと思う。
Sanctions kill – in Syria life has become a living hell
若し人々が自国の状況について文句を言いたいと思っているのなら、今シリアで何が起こっているのかを知っておいて欲しい。私はダマスカスに住んでいます。
1)電気:ダマスカスや郊外の殆どの地域では、この24時間の内30分から1時間しか電気が来ていない。シリアの他の地域、特に田舎では、少なくとも3日間は電気が来ていない。
2)固定電話ネットワークや地上波インターネットは、停電時に発電機を動かす燃料が不足し、太陽エネルギーで駆動するタワーも曇天の所為で略停止した為、パフォーマンスが低下している。
3)大規模工場の多くは、車両用の燃料不足で物流を縮小し、来週まで休業するところが多い。これにより多くの産業とサプライチェーンが機能不全に陥った。
4)一部の政府機関では、電気やインターネットが無いので、水曜日と木曜日に電子処理が出来なかった。
5)ダマスカス中の店や市場は、発電機の燃料が無いので、日没と共に閉店している。
6)民間のパン屋は機械やオーブンを動かせないので、パンの生産量を減らしている。
7)レストランも同じ理由で生産を減らし、冷たい食べ物やバーベキューしか提供していない。
8)ディーゼルや燃料は闇市場からも姿を消し、BM燃料20ℓが20万シリアポンドする(平均給与は月15万円シリアポンド=27ドルだが、大半はそれ以下しか貰っていない)。
9)政府が補助金を出しているガソリンスタンドは殆ど閉鎖されている。
10)残っているガソリンスタンドには24時間以上の行列が出来ている。供給は需要に追い付いていないが、何れにしろ1ヶ月30ℓまでと云う制限が有る。
11)車の所有者に配給の燃料を取りに来るようにメッセージを送るシステムが有るが、今ではSMSが届くまでに3週間も掛かっている。以前は数日置きだった。
12)ガス(ボトル)が入手出来ない。若し闇市場で入手出来たとしても15万シリアポンド以上掛かるので、殆どの人にとっては不可能。一般家庭が料理等で使うのは1週間に1本。また、ボトルは非常に質が悪く、危険。
13)公共交通機関が無い。道路は文字通り空っぽ。これは従業員が出勤出来ない等を意味するので、従業員や雇用主にとって大きな問題。
11年間の壊滅的な戦争と野蛮な制裁、戦後の不協和音と国境地帯の不安定さ———米国のシーザー制裁は、シリアを支援する為に来た如何なる国も処罰の対象とします。米国は、直接または代理勢力を通じてシリアを占領し、シリアの石油と小麦を盗んでいます。トルコはシリアの領土を併合しています。今直ぐ制裁を終わらせよう!
明らかに、これらの事柄は全て、戦争の影響を受け、貧困に喘いでいる人口の90%に影響を与えています。例えば、誰かが病気になっても、救急車を呼ぶことが出来ません(固定電話/電気/ネットが無い)。救急車は不足しており、燃料が有りません。病院も停電で発電機の燃料が有りません。機器が壊れても制裁の所為で修理出来ません———必要なスペアパーツの輸入が出来ないのです。
Sanctions kill – in Syria life has become a living hell
若し人々が自国の状況について文句を言いたいと思っているのなら、今シリアで何が起こっているのかを知っておいて欲しい。私はダマスカスに住んでいます。
1)電気:ダマスカスや郊外の殆どの地域では、この24時間の内30分から1時間しか電気が来ていない。シリアの他の地域、特に田舎では、少なくとも3日間は電気が来ていない。
2)固定電話ネットワークや地上波インターネットは、停電時に発電機を動かす燃料が不足し、太陽エネルギーで駆動するタワーも曇天の所為で略停止した為、パフォーマンスが低下している。
3)大規模工場の多くは、車両用の燃料不足で物流を縮小し、来週まで休業するところが多い。これにより多くの産業とサプライチェーンが機能不全に陥った。
4)一部の政府機関では、電気やインターネットが無いので、水曜日と木曜日に電子処理が出来なかった。
5)ダマスカス中の店や市場は、発電機の燃料が無いので、日没と共に閉店している。
6)民間のパン屋は機械やオーブンを動かせないので、パンの生産量を減らしている。
7)レストランも同じ理由で生産を減らし、冷たい食べ物やバーベキューしか提供していない。
8)ディーゼルや燃料は闇市場からも姿を消し、BM燃料20ℓが20万シリアポンドする(平均給与は月15万円シリアポンド=27ドルだが、大半はそれ以下しか貰っていない)。
9)政府が補助金を出しているガソリンスタンドは殆ど閉鎖されている。
10)残っているガソリンスタンドには24時間以上の行列が出来ている。供給は需要に追い付いていないが、何れにしろ1ヶ月30ℓまでと云う制限が有る。
11)車の所有者に配給の燃料を取りに来るようにメッセージを送るシステムが有るが、今ではSMSが届くまでに3週間も掛かっている。以前は数日置きだった。
12)ガス(ボトル)が入手出来ない。若し闇市場で入手出来たとしても15万シリアポンド以上掛かるので、殆どの人にとっては不可能。一般家庭が料理等で使うのは1週間に1本。また、ボトルは非常に質が悪く、危険。
13)公共交通機関が無い。道路は文字通り空っぽ。これは従業員が出勤出来ない等を意味するので、従業員や雇用主にとって大きな問題。
11年間の壊滅的な戦争と野蛮な制裁、戦後の不協和音と国境地帯の不安定さ———米国のシーザー制裁は、シリアを支援する為に来た如何なる国も処罰の対象とします。米国は、直接または代理勢力を通じてシリアを占領し、シリアの石油と小麦を盗んでいます。トルコはシリアの領土を併合しています。今直ぐ制裁を終わらせよう!
明らかに、これらの事柄は全て、戦争の影響を受け、貧困に喘いでいる人口の90%に影響を与えています。例えば、誰かが病気になっても、救急車を呼ぶことが出来ません(固定電話/電気/ネットが無い)。救急車は不足しており、燃料が有りません。病院も停電で発電機の燃料が有りません。機器が壊れても制裁の所為で修理出来ません———必要なスペアパーツの輸入が出来ないのです。
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