スペルマゲドン（精子数の減少）

また凄い言葉を考えた人が居た。"Spermageddon（スペルマゲドン）"。ここ40年で先進諸国の男性の精子数が半減していることが長期的にどんな影響を齎すのかは現時点では未知数。シャナ・スワン博士は最大の原因は内分泌攪乱物質の所為だとの仮説を立てているが、それらは先進諸国の生活に余りに広範囲に浸透していて規制も緩いので、実態の把握は困難の様だ。1960〜70年代の環境主義は元々こうした問題に焦点を当てていた筈だが、その後気候変動詐欺に乗っ取られてしまって、今ではすっかり影が薄くなってしまった。だが脅威が去ってしまった訳ではない。
Spermageddon: The Male Fertility Crisis


2022/11/15に公開されたイスラエル主導の新しい研究に拠ると、世界中の精子数は1973年以来62%も急落している。これは精子数（平均的な射精中に存在する精子の数）での話で、精液1㎖当たりで言えば精子濃度は52%減少し、約5,000万個。WHOは1㎖当たり1,500万個を、男性の精子濃度が低いと見做す基準値にしているので、これよりはまだまだ上ではあるが、精子濃度が1㎖当たり4,000万個を下回ると生殖能力が低下し始めることを示唆する研究が存在し、それに拠れば現在の減少率が続けばその数は10年以内に世界平均になる。
Sperm counts worldwide have plunged 62% in under 50 years, Israeli-led study finds
　精子の数が少ないと、「精巣癌、ホルモンの混乱、性器の先天異常、女性の生殖に関する健康の低下」等、健康に様々な悪影響を与える可能性が有る。2000年以降、精液1㎖当たりの精子数は毎年2.64%減少しており、1978年以降の2倍以上の速度になっている。
Study: Male Fertility Plummets 62% Worldwide, Is Accelerating

Shanna Swan博士の著書。「人類が社会経済的な要因だけではなく生物として変化している（生殖機能が劇的に損なわれている）ことによって少子化へ向かっている」と云う問題について詳述している。


シャナ・スワン博士が「人類の生殖能力は急激に低下している」と云う結論に至るまでにどの様な経緯を経て研究を進めたのかはこの動画で解説されている。色々と検証を重ねて間違いの無いよう慎重に研究を進めて来た様だ。
A Global Fertility Crisis - Dr. Shanna Swan


世界中で広く使用されている農薬のアトラジンは、成体の雄のカエルの1/3を不妊にし、1/10を雌に変える。ヒト細胞株に於ても、10億分の幾つかのレヴェルでエストロゲンやテストステロン等の内分泌ホルモンを阻害する。
Pesticide atrazine can turn male frogs into females

中国湖南省では、精子ドナーの内品質基準を満たしていたのは2002年は半数以上だったが、2017年には僅か18%。成長・免疫系・神経機能・出産能力を制御するホルモンを模倣・阻害する内分泌撹乱化学物質が原因と考えられるが、これは日常生活の至る所に溢れている。
Chemicals Reduce Sperm Counts

欧米の42,935人の男性を対象とした研究では、1973年から2011年の間に平均精子濃度は全体で52.4%（年平均1.4%）、総精子数は59.3%（年平均1.6%）減少している。

Temporal trends in sperm count: a systematic review and meta-regression analysis

Shanna Swan博士に拠ると、西側諸国の男性の平均精子数はここ40年で50%以上低下した。2050年までには中国を含む先進工業国の殆どの人間が、繁殖の為に技術的支援を必要とする様になる。殺人ワクチンの展開前から、人類は生物として衰退への道を歩んでいた。人類の精子数・テストステロン・受精率は1%ずつ減少し、精巣癌と流産は1%ずつ増加している。原因として考えられるのは環境化学物質や内分泌撹乱物質、ライフスタイルの変化等。人類は生殖能力や性的発達、健康全般の面で、生物種として急速に衰退している。
Will Mankind Be Extinct In a Few Years?
Will Mankind be Extinct In a Few Years? Impacts of Toxic Agrochemicals, “Endoctrine Disruptors”