EUの新植民地主義的暴言:ヨーロッパは世界の他の国々の野蛮な「ジャングル」よりも優れた「庭園」である(要点)
2022/10/13、欧州外交アカデミーの開会式に於て、EU外務代表ジョセップ・ボレルが超時代錯誤的な植民地主義的発言を行なっている。最近のウクライナ紛争を巡って欧州が様々な場面で人種差別的な面を表に出して来たことにも呆れたが、この様な発言を聞くと、「植民地主義?それって昔の話でしょ?」などと曰う人々は一体どんな現実を生きているんだと思わずにはいられない。白人は世界の残りの部分を支配下に於て野蛮人を文明化すると云う重責を担っているのだと云う差別的な発想は、欧米エリート層の間では21世紀の今になっても依然として健在だ。そして彼等は他の文明圏を散々ぱら蹂躙しながら、加害者として罪の意識に苛まれるどころか、被害者意識を発達させて来ているのだ。倒錯だとしか言い様が無い。彼は表面的には新植民地主義を否定してはいるが、この発言の発想は新植民地主義そのものだ。
*因みに、この発言の公式記録には現在アクセス出来ない様だ。
In neocolonial rant, EU says Europe is ‘garden’ superior to rest of world’s barbaric ‘jungle’

以下、ボレルのスピーチからの抜粋。
「ヨーロッパは庭園です。我々は庭園を作りました。全てが上手く行っています。政治的自由、経済的繁栄、社会的結束、この3つが揃った、人類が築き上げた最高の組み合わせなのです。そしてここブルージュは、美しいもの、知的な生活、ウェルビーイングの良い実例だと言えます。
しかし世界の他の地域は、フェデリカさんもよく御存知の様に、必ずしも庭園ではありません。世界の残りの大半はジャングルで、ジャングルが庭園を侵食するかも知れません。庭師はその世話をしなければならなりませんが、庭園を守る為に壁を作ることはしません。ジャングルの侵入を防ぐ為に、高い壁で囲まれた小さくて立派な庭園を作っても、解決にはならないでしょう。何故なら、ジャングルは成長力が強いので、庭園を守る為の壁の高さは決して十分にはならないからです。
庭師はジャングルに行かなければならないのです。ヨーロッパ人はもっと世界の他の国々と関わりを持たなければなりません。そうでなければ他の国々は様々な手段や方法を使って、我々を侵略して来るでしょう。
そう、これが私の最も重要なメッセージです。我々はもっともっと他の国々と関わって行かなければならないのです。」
———実際に世界の国々を侵略して来た/いるのは欧米なのだが。
「ヨーロッパは色々なことに関して良い模範ですが、これは本当です。世界はヨーロッパを必要としているのです。私が世界中を旅して感じたのは、人々は我々を道標(ビーコン)として見ていると云うことです。
何故これ程多くの人々がヨーロッパにやって来るのでしょうか? ロシアには不法移民や非正規移民が流入して来たりしているでしょうか? そう多くはありません。いいえ、彼等がヨーロッパにやって来るのには、立派な理由があるのです。
庭園を維持して、良い庭師になって下さい。しかしあなた方の責務は庭園そのものではなく、外のジャングルの世話をすることです。」
———16世紀の宣教師の説教を現代的に言い換えた様な内容だ。
「ヨーロッパと世界の他の国々(「世界の他の国々」———私が何を言っているのかお分かりですね?)との間には大きな違いが有ります。それは、我々は強力な制度を持っていると云うことです。先進国と非先進国の大きな違いは、経済ではなく、制度なのです。
我々には、司法———中立で独立した司法が有ります。また、歳入を分配する制度が有ります。市民が自由に参加出来る選挙が有ります。交通整理をする赤信号が有り、ゴミを回収する人々が居ます。
………我々と世界の他の重要な国々との大きな違いは、我々には制度が有ると云うことです。」
———まるで欧州以外には司法も税制も選挙も交通信号もゴミ収集業者も存在しないかの様な言い草だ。
「私が新興国に行って、彼等の為の制度を作ることは出来ません———彼等は自力でそうしなければならないのです。そうでなければ、一種の新植民地主義になってしまうでしょう。」
———つまり裏を返せば、西洋が他国に「自由と民主主義」を押し付けようとしているのは新植民地主義的行為に他ならないことを認めている訳だ。
ボレルは更に「プーチン後のロシア」の「世界秩序への統合」を公然と語り、ソ連「封じ込め」政策を立案したジョージ・ケナンを称賛し、EUが盲目的に米国に従っていると云う批判を退け、ロシアを非難しない国々が多過ぎると嘆いている。
「それに核の脅威が有り、プーチンはハッタリではないと言っています。まぁ、プーチンはハッタリをかます余裕は無いでしょう。ウクライナを支持する人々、欧州連合とその加盟諸国、米国、NATOもまたハッタリをかましている訳ではないことははっきりさせておかなければなりません。ウクライナに対する如何なる核攻撃も、核兵器による回答ではなく軍事面からの強力な回答として、ロシア軍を全滅させることになるでしょう。
これは歴史に於ける重大な瞬間であり、我々は団結と強さと決意を示さなければなりません。完全な決意をです。」
因みにボレルは2022/04/09にウクライナ紛争について、「この戦争は戦場で勝利する」と、現実を無視した超危険な妄想を語っている。
*因みに、この発言の公式記録には現在アクセス出来ない様だ。
In neocolonial rant, EU says Europe is ‘garden’ superior to rest of world’s barbaric ‘jungle’

以下、ボレルのスピーチからの抜粋。
「ヨーロッパは庭園です。我々は庭園を作りました。全てが上手く行っています。政治的自由、経済的繁栄、社会的結束、この3つが揃った、人類が築き上げた最高の組み合わせなのです。そしてここブルージュは、美しいもの、知的な生活、ウェルビーイングの良い実例だと言えます。
しかし世界の他の地域は、フェデリカさんもよく御存知の様に、必ずしも庭園ではありません。世界の残りの大半はジャングルで、ジャングルが庭園を侵食するかも知れません。庭師はその世話をしなければならなりませんが、庭園を守る為に壁を作ることはしません。ジャングルの侵入を防ぐ為に、高い壁で囲まれた小さくて立派な庭園を作っても、解決にはならないでしょう。何故なら、ジャングルは成長力が強いので、庭園を守る為の壁の高さは決して十分にはならないからです。
庭師はジャングルに行かなければならないのです。ヨーロッパ人はもっと世界の他の国々と関わりを持たなければなりません。そうでなければ他の国々は様々な手段や方法を使って、我々を侵略して来るでしょう。
そう、これが私の最も重要なメッセージです。我々はもっともっと他の国々と関わって行かなければならないのです。」
———実際に世界の国々を侵略して来た/いるのは欧米なのだが。
「ヨーロッパは色々なことに関して良い模範ですが、これは本当です。世界はヨーロッパを必要としているのです。私が世界中を旅して感じたのは、人々は我々を道標(ビーコン)として見ていると云うことです。
何故これ程多くの人々がヨーロッパにやって来るのでしょうか? ロシアには不法移民や非正規移民が流入して来たりしているでしょうか? そう多くはありません。いいえ、彼等がヨーロッパにやって来るのには、立派な理由があるのです。
庭園を維持して、良い庭師になって下さい。しかしあなた方の責務は庭園そのものではなく、外のジャングルの世話をすることです。」
———16世紀の宣教師の説教を現代的に言い換えた様な内容だ。
「ヨーロッパと世界の他の国々(「世界の他の国々」———私が何を言っているのかお分かりですね?)との間には大きな違いが有ります。それは、我々は強力な制度を持っていると云うことです。先進国と非先進国の大きな違いは、経済ではなく、制度なのです。
我々には、司法———中立で独立した司法が有ります。また、歳入を分配する制度が有ります。市民が自由に参加出来る選挙が有ります。交通整理をする赤信号が有り、ゴミを回収する人々が居ます。
………我々と世界の他の重要な国々との大きな違いは、我々には制度が有ると云うことです。」
———まるで欧州以外には司法も税制も選挙も交通信号もゴミ収集業者も存在しないかの様な言い草だ。
「私が新興国に行って、彼等の為の制度を作ることは出来ません———彼等は自力でそうしなければならないのです。そうでなければ、一種の新植民地主義になってしまうでしょう。」
———つまり裏を返せば、西洋が他国に「自由と民主主義」を押し付けようとしているのは新植民地主義的行為に他ならないことを認めている訳だ。
ボレルは更に「プーチン後のロシア」の「世界秩序への統合」を公然と語り、ソ連「封じ込め」政策を立案したジョージ・ケナンを称賛し、EUが盲目的に米国に従っていると云う批判を退け、ロシアを非難しない国々が多過ぎると嘆いている。
「それに核の脅威が有り、プーチンはハッタリではないと言っています。まぁ、プーチンはハッタリをかます余裕は無いでしょう。ウクライナを支持する人々、欧州連合とその加盟諸国、米国、NATOもまたハッタリをかましている訳ではないことははっきりさせておかなければなりません。ウクライナに対する如何なる核攻撃も、核兵器による回答ではなく軍事面からの強力な回答として、ロシア軍を全滅させることになるでしょう。
これは歴史に於ける重大な瞬間であり、我々は団結と強さと決意を示さなければなりません。完全な決意をです。」
因みにボレルは2022/04/09にウクライナ紛争について、「この戦争は戦場で勝利する」と、現実を無視した超危険な妄想を語っている。

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