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ギャラップ世論調査(2014年):ウクライナに於けるニュース収集と政策認識(抜粋)

国際的に定評の有るギャラップ社は2014年4月にウクライナを対象とした世論調査を行っているが、その中から現状を理解する上で参考になると思われる結果を幾つか抜粋してみた。
Newsgathering and Policy Perceptions in Ukraine

 ・ニュース収集の部分は飛ばすが、興味深いのは言語について。民族的にウクライナ人である人の87%はロシア語のニュースを聞いても理解出来るが、民族的にロシア人である人でウクライナ語のニュースを理解出来るのは67%。ウクライナ語とロシア語のどちらも普及しているが、理解能力には若干差が有る。自分達の言語を禁止されたら、ウクライナ語話者よりロシア語話者の方が不便を被る。


 ・2013〜14年の「危機」に於て外国が果たした役割の評価。クリミア以外の地域(左)では66.4%がロシアに否定的な評価を下しているが、クリミア(右)ではこれが逆転して、71.3%がロシアを好意的に見ているのに対し、欧米への評価は軒並みどん底。
 

 ・危機に於て米国が果たした役割についての評価。西部では好意的な評価が58.8%に達するのに対し、東部では17,1%、クリミアでは僅か2.8%と、はっきりと地理的な偏りが見られる。


 ・危機に於てロシアが果たした役割についての評価。米国とは逆に、西部では好意的な評価が僅か1%なのに対し、南部では28.4%、東部では35.7%、クリミアでは71.3%に達する。東西で劇的な温度差が見られる。

 
 ・ロシアへの編入を決めたクリミアの住民投票が正統なものだと思う割合は、西側では僅か16.8%だが、当のクリミアの人々は82.8%が正統なものだと考えている。クリミア以外の地域でも、民族的ロシア人だと53.8%、クリミア内では、民族的ロシア人は93.6%だが、民族的ウクライナ人でも68.4%が正統性を認めている。
 

 ・ロシアの一部になれば生活は良くなると考えているクリミア人は73.9%。民族的ロシア人だと83.5%、民族的ウクライナ人だと59.3%。


 ・EU加盟を望む率(左)と、NATO加盟を望む率(右)。ここでも地理的偏向は明らか。西になるに従ってはっきりと欧米寄りになり、東側になるに従って欧米嫌いになる。性格上の不一致による摩擦を円満な離婚によって解消出来れば良かったのだが、ワシントンがナチを送り込んで唆した所為で、西側が「お前と別れる位ならぶっ殺してやる!お前は一生俺の奴隷だ!」とか言い出す騒ぎになって、結局8年間もの流血沙汰になった。ここまで違う者同士が曲がりなりにも平和的に共存出来ていたのだから、ソヴィエト連邦と云うシステムを懐かしむ人が多いのも宜なるかなと言うべきだろう。他民族共生システムとしてのソ連の民族自決の実験は、まぁ当人達にしか理解出来ない「失敗」も色々有ったのだろうけれども、冷戦後に西側の植民地にされたのに比べれば恐らく遙かにマシだっただろう(特にクリミアなんかは、ロシアに戻るまではインフラ整備や民生等が完全に放置状態だったらしい)。

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