水戦争
★オスカー・ロトンド氏の記事の抄訳。公共財たる水へのアクセスが新自由主義的政策によって企業に侵食された結果、ウルグアイの人々が水を飲もうと思ったら、ペットボトルで売っている水を買うしか無い。「持続可能なグリーン経済」なるものは、全体を見てみればグリーンでも持続可能でも全くない。
ルグアイ:あなたが飲んではいけない水(抄訳)
★アル=ジャジーラの記事の抄訳。10年振りに和解に向けて動きつつあるエジプト-トルコ関係を時系列で振り返る。
エジプトとトルコが不和解消に向けて動く中、両国の20年間の関係を振り返る(抄訳)
2022/10/05の世界銀行の記事に拠ると、現在農業は平均して、全世界の全淡水取水量の70%を占めている。灌漑農業は全耕作地の20%を占め、これは世界中で生産される総食糧の40%に相当する。
Water in Agriculture
UNICEFの発表では、
・約40億人(世界人口の約2/3)が、毎年少なくとも1ヶ月間、深刻な水不足を経験している。
・20億人以上の人々が、水の供給が不十分な国に住んでいる。
・早ければ2025年までに、世界人口の半分が水不足に直面する地域に住む可能性が有る。
・深刻な水不足により、2030年までに約7億人が住む場所を失う可能性が有る。
・2040年までに、世界の子供の約4人に1人が、水ストレスが非常に高い地域に住むことになる。
Water scarcity
★世界の水問題について、マシュー・エレット氏の解説の要点。現在中国が一帯一路構想でやろうとしている治水対策と似た様なことを、JFKもやろうとしていた。
米国の水危機を解決する:JFK、NAWAPA、そして中国の新シルクロード(要点)
水戦争についての本は色々有るが、人類文明にとって水とは何か、と云う巨視的な視点で物事を考えてみたいなら、スティーブン・ソロモン著『水が世界を支配する』が特にお薦め。
水道民営化の最初の波は19世紀にまで遡るが、1980年台後半からの民営化の波に対しては「再公営化」を求める反動が各国で起こり、一定の成功を収めて来た。先例をしっかり学んで、同じ轍を踏まないようにしなくては。
Reversing the Tide of Water Privatization
最新の科学的知見に基付き、水(淡水)は帯水層に蓄えられている分だけではなく、深層水が地球内部で生成されており、従って水は再生不可能な資源であると云う主張に基付く、水男爵達による水戦争は回避可能である、とする主張。

“Big Money” and the “Water Barons”: A New Water Source That Could Make Drought a Thing of the Past
世界銀行の水への取り組みはヴァーチャルツアーで知ることが出来る。
WORKING TOGETHER FOR A WATER-SECURE WORLD FOR ALL.
グローバル水安全衛生パートナーシップ(Global Water Security & Sanitation Partnership/GWSP。2017〜)の参加者一覧。英、豪、スイス、ベルギー、スウェーデン、ノルウェーの他、ゲイツ財団、ロックフェラー財団の名が見える。

自然災害の9割は水関連。また経済成長は水の供給と不可分に結び付いている。世界銀行は「2030年までに万人に適切で公平な衛生(Hygiene、Sanitation)へのアクセスを実現する」ことを目的に動いている。
Overview
2008年にダボスで発足した「2030水資源グループ(2030 Water Resources Group/2030 WRG)」は世界の水需要ギャップを埋める為に官民連携の試みを行なっている(宣伝係のセレブはマット・デイモン)。鍵はグローバル資本市場へのアクセス。社会的インパクト投資が水へのアクセス問題を解決するそうだ。
Ensuring sustainable water management for all by 2030
カリフォルニアでは旱魃被害が深刻だが、その一因は鮭の保護を名目とした過剰なダム放水。ニューサム知事が出した「救済法案」の中身は野生生物の生息地回復、レクリエーション、ソーラーパネル、ダム取り壊し、井戸堀り禁止等、SDGs路線に沿った農業部門の弱体化。
A Sinister Agenda Behind California Water Crisis? Looming Food Supply Catastrophe
ウォール街のメガバンク(ウォーターバロン)が世界中の水を買い占めている。人間のみならず地球の生態系全体にとって必須のこの物質は、今や公共財ではなく投資の対象と化している。
The New “Water Barons”: Wall Street Mega-Banks are Buying up the World’s Water
国連西アジア経済社会委員会に拠ると、コロナウィルス危機に際して、アラブ諸国22ヵ国の内10ヵ国で水道水の供給が不十分であり、7,400万人が手洗い設備へのアクセスを欠いている。綺麗な真水へのアクセスの不足は以前から世界的な問題ではあったが、西側諸国では関心は比較的低かった。だが全人類がひとつの運命共同体として振る舞わねばならない時代には、その意味合いは大きく違って来る。
74 Million in Arab Region at Risk of COVID-19, Access to Clean Water: UN Report
水へのアクセスが保障されていない件はコロナウィルス危機によって一層顕在化はしたが、元々構造的な問題として国際社会で取り上げられるべき問題。万人の普遍的な権利として、多国籍企業の魔手から守られるべき。

【図解】手洗いがほぼ不可能な国も…せっけんと水の普及状況
水が潤沢な日本ではつい忘れがちになるが、水は人間の生存にとって最も不可欠な物質のひとつ。だが強欲な新自由主義は或る意味ではこの500年の収奪の歴史の当然の帰結として、それをも手にしようとあの手この手の工作を行っている。水へのアクセス不足は他人事ではない。
米先住民ナバホ居留地でコロナ流行、「手洗い」できず…歴史的な格差浮き彫りに
記録的な旱魃とコロナウィルス危機に際して、水が民間企業の手に渡っていたらどうなるか、チリの事例。感染対策として手を洗いたくとも水が無い。水へのアクセスは人間の尊厳の根幹に関わる基本的権利として確立されるべきだ。
Chile Faces Historic Drought
ルグアイ:あなたが飲んではいけない水(抄訳)
★アル=ジャジーラの記事の抄訳。10年振りに和解に向けて動きつつあるエジプト-トルコ関係を時系列で振り返る。
エジプトとトルコが不和解消に向けて動く中、両国の20年間の関係を振り返る(抄訳)
2022/10/05の世界銀行の記事に拠ると、現在農業は平均して、全世界の全淡水取水量の70%を占めている。灌漑農業は全耕作地の20%を占め、これは世界中で生産される総食糧の40%に相当する。
Water in Agriculture
UNICEFの発表では、
・約40億人(世界人口の約2/3)が、毎年少なくとも1ヶ月間、深刻な水不足を経験している。
・20億人以上の人々が、水の供給が不十分な国に住んでいる。
・早ければ2025年までに、世界人口の半分が水不足に直面する地域に住む可能性が有る。
・深刻な水不足により、2030年までに約7億人が住む場所を失う可能性が有る。
・2040年までに、世界の子供の約4人に1人が、水ストレスが非常に高い地域に住むことになる。
Water scarcity
★世界の水問題について、マシュー・エレット氏の解説の要点。現在中国が一帯一路構想でやろうとしている治水対策と似た様なことを、JFKもやろうとしていた。
米国の水危機を解決する:JFK、NAWAPA、そして中国の新シルクロード(要点)
水戦争についての本は色々有るが、人類文明にとって水とは何か、と云う巨視的な視点で物事を考えてみたいなら、スティーブン・ソロモン著『水が世界を支配する』が特にお薦め。
水道民営化の最初の波は19世紀にまで遡るが、1980年台後半からの民営化の波に対しては「再公営化」を求める反動が各国で起こり、一定の成功を収めて来た。先例をしっかり学んで、同じ轍を踏まないようにしなくては。
Reversing the Tide of Water Privatization
最新の科学的知見に基付き、水(淡水)は帯水層に蓄えられている分だけではなく、深層水が地球内部で生成されており、従って水は再生不可能な資源であると云う主張に基付く、水男爵達による水戦争は回避可能である、とする主張。

“Big Money” and the “Water Barons”: A New Water Source That Could Make Drought a Thing of the Past
世界銀行の水への取り組みはヴァーチャルツアーで知ることが出来る。
WORKING TOGETHER FOR A WATER-SECURE WORLD FOR ALL.
グローバル水安全衛生パートナーシップ(Global Water Security & Sanitation Partnership/GWSP。2017〜)の参加者一覧。英、豪、スイス、ベルギー、スウェーデン、ノルウェーの他、ゲイツ財団、ロックフェラー財団の名が見える。

自然災害の9割は水関連。また経済成長は水の供給と不可分に結び付いている。世界銀行は「2030年までに万人に適切で公平な衛生(Hygiene、Sanitation)へのアクセスを実現する」ことを目的に動いている。
Overview
2008年にダボスで発足した「2030水資源グループ(2030 Water Resources Group/2030 WRG)」は世界の水需要ギャップを埋める為に官民連携の試みを行なっている(宣伝係のセレブはマット・デイモン)。鍵はグローバル資本市場へのアクセス。社会的インパクト投資が水へのアクセス問題を解決するそうだ。
Ensuring sustainable water management for all by 2030
カリフォルニアでは旱魃被害が深刻だが、その一因は鮭の保護を名目とした過剰なダム放水。ニューサム知事が出した「救済法案」の中身は野生生物の生息地回復、レクリエーション、ソーラーパネル、ダム取り壊し、井戸堀り禁止等、SDGs路線に沿った農業部門の弱体化。
A Sinister Agenda Behind California Water Crisis? Looming Food Supply Catastrophe
ウォール街のメガバンク(ウォーターバロン)が世界中の水を買い占めている。人間のみならず地球の生態系全体にとって必須のこの物質は、今や公共財ではなく投資の対象と化している。
The New “Water Barons”: Wall Street Mega-Banks are Buying up the World’s Water
国連西アジア経済社会委員会に拠ると、コロナウィルス危機に際して、アラブ諸国22ヵ国の内10ヵ国で水道水の供給が不十分であり、7,400万人が手洗い設備へのアクセスを欠いている。綺麗な真水へのアクセスの不足は以前から世界的な問題ではあったが、西側諸国では関心は比較的低かった。だが全人類がひとつの運命共同体として振る舞わねばならない時代には、その意味合いは大きく違って来る。
74 Million in Arab Region at Risk of COVID-19, Access to Clean Water: UN Report
水へのアクセスが保障されていない件はコロナウィルス危機によって一層顕在化はしたが、元々構造的な問題として国際社会で取り上げられるべき問題。万人の普遍的な権利として、多国籍企業の魔手から守られるべき。


【図解】手洗いがほぼ不可能な国も…せっけんと水の普及状況
水が潤沢な日本ではつい忘れがちになるが、水は人間の生存にとって最も不可欠な物質のひとつ。だが強欲な新自由主義は或る意味ではこの500年の収奪の歴史の当然の帰結として、それをも手にしようとあの手この手の工作を行っている。水へのアクセス不足は他人事ではない。
米先住民ナバホ居留地でコロナ流行、「手洗い」できず…歴史的な格差浮き彫りに
記録的な旱魃とコロナウィルス危機に際して、水が民間企業の手に渡っていたらどうなるか、チリの事例。感染対策として手を洗いたくとも水が無い。水へのアクセスは人間の尊厳の根幹に関わる基本的権利として確立されるべきだ。
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