ダゲスタン
少なくとも2022/09/22以降、ロシア連邦を構成するダゲスタン共和国で、部分動員に抗議する様々な抗議行動が起こっている。徴兵通知にミスが多かったのが主な理由の様だが、混乱の原因は単なる官僚主義による無能の様だ。但しダゲスタン大統領とロシア連邦保安庁は、ウクライナ特殊作戦部隊(SSO。正確にはウクライナ特殊作戦部隊の中央情報局のイデオロギー・心理作戦センター)が匿名のテレグラム・アカウントを使って抗議行動を煽ったと考えている様だ。彼等はダゲスタン・モーニング・テレグラムの、地元の暴動に先立つ金融取引と情報の流れを公開している(下図左)。2022 年3月以降、50億ルーブル(約7,720万ドル)がこのチャンネルに投入されている。これには白人過激派やイスラム過激派コミュニティも協力したが、ウクライナ(ロシアからウクライナに亡命したジャーナリストのアレクサンドル・ネフゾロフや、ゼレンスキーの顧問アレクセイ・アレストヴィッチ)やベラルーシのアカウントも再投稿している。2022/09/21には早くも部分的な動員を非難する投稿が登場し、翌日には抗議の呼び掛けが始まった。09/25には臨界レヴェルにまで達し、この情報爆弾が予め仕掛けられたものであったことを示唆している(下図右)。但し09/26からは急速に購読者数が減少している。殆どの人が何かがおかしいと気付き始めたのではないかと思われる。ゼレンスキーが動員に応じないよう呼び掛けても効果が無いことが判ると、今度は「部分的動員の中止」に関する偽造文書が出回り始めた。ダゲスタンは階級格差が大きいので社会的不満を掻き立て易く、また肥沃な土地を巡る民族・部族間の争い(40以上の民族グループが共存している)が多いことが、狙われた理由だと思われる。動員の混乱を解決する為に、動員本部が創設され(今まで無かったのか!)、地方議員による市民の支援や、苦情を受け付けるホットラインが開設された。

Unrest over mobilization in Dagestan: Homegrown in the majority Muslim Russian region or stoked by outside forces?


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