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ノーベル平和賞委員会に対してベラルーシ、ロシア、ウクライナのエリート層は共通の怒りで団結した(要点と補足)

RTの記事の要点と、少しだけ補足。2022年度のノーベル平和賞候補3氏は何れも反ロシア工作員。ノーベル委員会が西側帝国秩序の一部として機能していることが再確認出来る。
How the Nobel Peace Prize Committee has managed to unite Belarusian, Russian, and Ukrainian elites in collective anger



 ・ロシアの人権団体「メモリアル」:元はソ連時代のテロの記録を保存することを目的としており、指導者はこれもノーベル平和賞受賞者であるアンドレイ・サハロフ。1989年のサハロフの死後に組織を公式に登録したゴルバチョフは、その次のノーベル平和賞を受賞した。ロシアの3番目の受賞者であるドミトリー・ムラトフが率いるノヴァヤ・ガゼータ紙は、長年に亘りメモリアルのメディア・パートナーだった(つまりソ連/ロシアの受賞者は全員ここの関係者)。

 ソ連崩壊後は研究、唱導、教育に関わる国際組織に発展し、「ソ連の弾圧の記憶」(恐らくソ連時代について相当な歴史の改竄や歪曲を行ったものと推測されるが、その実態はまだまだ明らかにはなっていない。日本でこの問題に真剣に取り組んでいるソ連研究家が居るかどうかは私は知らないが、多分居ないのではないだろうか)だけではなく、現在の人権問題にも関与を始めた。

 こうした組織を考える上で最も重要なのは資金源だが、メモリアルはロシア国家からの支援を受けたことは無く、外国からの資金提供に依存している。最初の主な寄付者はジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団だったが、その後USAID(米国際開発庁)、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、様々な国連部門やその他の国際機関、英仏独その他の西側諸国の大使館が加わった。要するに西側の人権産業やカラー革命業界のエージェントであって、2010年には「外国のエージェント」として(正しく)登録され、最終的に2022年2月には裁判所命令によって解体された。

 
 この団体は他にも、抗議行動に関する法律違反についての刑事訴訟を巡って、モスクワを相手取って欧州の裁判所に訴訟を持ち込んだことも有る。またテロ組織が告発された時、告発は捏造であると表明したことも有る(カラー革命部隊はイスラム過激派やナチの様な非正規戦部隊と連携しているのが普通で、平和的な手段で目的が達せられなけ実力行使に訴える)。

 受賞によって祝賀ムードが盛り上がって入るものの、組織が再び合法的なものと認められる可能性は低く、活動を続けたかったら非合法に活動するしか無い。
 


 ・ベラルーシの人権活動家、アレクサンドル・ビャリャツキー:メモリアルと同様ペレストロイカ時代に、スターリン主義者の抑圧の犠牲者の記憶を回復する活動を開始。「民主主義と人道主義の原則、文化の発展、ベラルーシ共和国の実際の国家独立の為の政治体制の再編成とベラルーシ国家の復活」を掲げるベラルーシ人民戦線(BPF)を設立し、これは1990年代に反ロシア思想とベラルーシのナショナリズムを支持する政党の設立に繋がった。この圧力を受けてベラルーシ議会は「脱露入欧」とでも呼ぶべき路線を推し進めた。例えば人口の87%がロシア語を話すにも関わらず、ベラルーシ当局は、ロシア語を話す学校を5%未満にまで削減した。

 1996年にはヴィアスナ人権センターを設立し、その議長に収まって、90年代の終わりまでには政界から手を引いて人権活動に専念。だが局は彼の組織の活動を容認せず、2003年に登録を剝奪した。2011年には脱税容疑で実刑判決を受け、2014年に釈放された。その後ポーランドと米国政府、EUから数々の賞を受賞した。2020 年の夏にベラルーシで大規模な抗議行動(カラー革命工作)が起こった時には野党調整評議会のメンバーになったが、その後税金未払いで再度拘留。2022年9月には多額の金を密輸した罪で起訴されている。活動家と彼の支持者達は、これらの起訴は政治的動機による弾圧だと主張している。



 ・ウクライナの人権団体「市民自由センター(Center for Civil Liberties/CCL)」:2007年設立。資金提供者「メモリアル」と同じくはジョージ・ソロスの財団、米国務省、NED(全米民主主義基金。CIAのフロント組織)、欧州委員会、国連開発計画、国際ヘルシンキ人権連盟、その他のグローバル・プレイヤー達で、一目でカラー革命組織だと判る。

 ノーベル委員会の説明では、「ウクライナの市民社会を強化し、ウクライナを完全な民主主義に変えるよう当局に圧力を掛ける」為に活動してきたそうだが、現在のキエフ政府が反対派の強硬な弾圧を行う恐怖政治を布いている現状を顧みれば、これは悪い冗談でしかない。

 2013〜14年のクーデターの際には、「抗議者を支援し、治安部隊による虐待を監視する」と云う名目のユーロマイダンSOSイニシアチブを設立。マイダン広場での狙撃事件が反対派の仕業であると云う圧倒的な証拠にも関わらず、追放されたウクライナ当局に流血に責任が有ると云う考えを広めた(因みにこの虐殺では誰も起訴されておらず、犯人達は今だに野放しである)。更には国際刑事裁判所に「ヤヌコビッチ政権が犯した人道に対する罪の証拠」を提出した。だがオデッサの虐殺や、その後のキエフ政権による数々の重大な人権侵害に対しては沈黙を守っている。

 その後ドンバスとクリミアの監視グループに参加してロシアで投獄された活動家達の支援を始め、2017年にはキエフ人権学校を設立。2020年のベラルーシでのカラー革命工作の際には活動家達を派遣した。

 2022年2月のロシア軍の特別軍事作戦が開始されると、「ウクライナの民間人に対するロシアの戦争犯罪を特定し、文書化する取り組みに着手した。」



 ロシア、ベラルーシ、ウクライナの旧ソ連諸国の人権活動家達が一斉にノーベル平和賞を受賞した件については、これらの国々の所謂リベラル層(親西側/親新自由主義勢力)が未だに繋がりを保っている事実を象徴していると解釈する者も居る。受賞の報道に対してはウクライナから激しい拒絶反応が起こっているが、問題視されているのはロシアとベラルーシと一緒に受賞すると云う点であって、この3国がまるで「兄弟国」の様に扱われることに対して不快感を表明する人が何人も出て来ている。ロシア側からは全く逆の理由で、特にマイダンやドンバスの犠牲者を無視してCCLが受賞することに反対する声が挙がっている。レオニード・スルツキー下院国際問題委員会委員長は「ノーベル平和賞は再び政治的手段に変えられました。再び『正しい』活動家、所謂人権活動家に対して授与されました。西側全体の方法論を順守するのに成功したことに対して授与されたのです」と語っている。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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