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ノルドストリームの破壊

★アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/01/08、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ノルドストリームの破壊にはポーランドが関与していたことを仄めかす記事を発表した。これは米国から疑惑を逸らし、ポーランドの旧政権を貶め、ゼレンスキーに更なる圧力を掛けるのが目的だと思われる。
ノルドストリームの攻撃にポーランドが共謀していたとメディアが主張するのにはどんな背景が?(抄訳)

2023/03/29にデンマーク・エネルギー庁はノルドストリームの爆破現場付近で謎の物体を引き上げたが、後の調査で発煙ブイであると判明した。調査はデンマーク、ドイツ、スウェーデンが行っており、これらの国々はロシアの参加を拒否している。他方ロシアは国連安保理に独立した調査を求めている。
Mysterious object found in vicinity of Nord Stream explained
ノルド・ストリーム近辺で発見された謎の物体は何か?

グローバル・タイムズの風刺画。西洋では、ロシアの資産でありロシアの重要な収入源であるノルドストリームを何故かロシアが破壊したなどと云う荒唐無稽な話が罷り通っている訳だが(そして何故かそんな話を信じる人が大勢居る訳だが)、ノルドストリームが破壊されて誰が喜ぶかと云ったら、そのお陰で世界一のガス輸出国になれた国以外には居ないだろう。

Huge profits from Nord Stream sabotage

★シーモア・ハーシュ氏のスクープ。ノルドストリームの破壊はCIAの作戦だった。
アメリカがノルドストリームを排除した方法(要点)

2022/10/15のアスタナでの会合でロシアのプーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と話し合い、欧州にガスを供給出来る欧州最大のガス・ハブをトルコに建設する案を検討した。プーチン氏はこのハブに到達するノルドストリームとは別のパイプラインを構築する可能性について触れ、これにより「関心が有れば」欧州諸国にもロシアのガスが供給される。だがノルドストリームの損傷していない部分を利用して275億立法メートルのガスを供給する可能性についてすら、ベルリンは(自国民の生活不安も顧みずに)沈黙しており、ショルツ首相はバイデン大統領の怒りを買うことを恐れている。
Russia’s Homage to Nord Stream Pipelines

★ベン・ノートン氏の記事から貿易に関するグラフを抜き出してみた。対ロシア制裁やノルドストリームの破壊によって記録的な儲けを上げているのは誰か?
ノルドストリームを妨害したのは誰? 米国はロシアを弱体化させる「途轍も無い機会」を自慢。CIAは知っていた(抜粋)

ガスプロムの報道官の発表では、2015/11/06のノルドストリームの目視検査中に、深さ40mの地点でNATOの水中機雷駆逐艦'Seafox'が、パイプラインの略真下に横たわっているのが確認された。当時この件は限られた報道しかされず、 一時的にガスの供給が停止したが、この水中ドローンは最終的にスウェーデン軍によって回収された。当時西側は軍事演習中に装置を「紛失」したと発表したが、公開されている情報に拠れば、これは沈んだ不発弾や地雷を破壊する為に1.4kgの成形炸薬弾頭を搭載している。
NATO once ‘lost’ drone under Nord Stream – Gazprom

ドイツの『コンパクト』と云う雑誌が、ノルドストリームの破壊には米軍とポーランド軍が関与していたと思われる10の状況証拠を列挙しているらしい。ひとつひとつはどれも決定的とは言い難いとは思うが、全て合わせてみると状況は明らかである様に思われる。詳細は元記事を参照のこと。
コンパクト誌より:Nord Streamを弱体化させた米国を示唆する10の証拠が発見される

2022/10/05の一部報道に拠ると、NATO同盟の偵察衛星はロシアの高性能レーザー兵器(1,500km先の衛星を無力化出来るペレスベト・レーザー・システム)によって破壊された。これにより西側諸国はロシアの核兵器の一部の動きを監視する能力を失い、HIMARS等の米国製兵器の使用も不可能になる。これはノルドストリームの破壊に対するロシア側の対応だと専門家は見ている。
バシロフ:NATOの衛星への攻撃は、Nord Streamを損ねることへの有効なカウンターだ

元大佐であり上院議員も務めたリチャード・ブラック氏の解説。「この極めて重要なインフラ(ノルドストリーム)を破壊する手段、動機、機会の全てを持っていたのは米国だけです。」彼は愛国者を自認しているが、国の外交政策の方向性については懸念している(無論、国が愚かなことや誤ったことをやらかした時には正面から批判するのが、成熟した真の愛国者と云うものだ)。
US Col. Richard Black Asks: Did U.S/NATO Blow up the Nord Stream Pipelines?


2022/09/22(ノルドストリームの破壊が発表された5日前)に、ロシア連邦保安局は、トルコから欧州への天然ガス・パイプラインに対するウクライナの特殊部隊によるテロ攻撃を事前に阻止したと発表している。ノルドストリームの破壊は孤立した事件ではない可能性が有る。
FSB thwarts terror attack on gas pipeline from Turkey to Europe

2022/01/28、米国務省のツイートで、ヴィクトリア・ヌーランド国務次官はこう発言している:「若しロシアがウクライナを侵略すれば、何れにせよ、ノルドストリーム2が先へ進むことは有りません。」まぁその通りの展開になった訳だが、彼女にはどうしてこうなることを予言出来たのだろう?
Department of State @StateDept

2022/09/29のAP通信の報道。ノルドストリームの破壊によって、推定50万トンのメタンが排出された。メタンは二酸化炭素より82.5倍強力な温室効果ガスであり、これは今まで記録された中で最大の地球温暖化イヴェントである可能性が有る。
Record methane leak flows from damaged Baltic Sea pipelines
 こちらはアーカイヴされたもの。
Record methane leak flows from damaged Baltic Sea pipelines

ノルドストリームの破壊を巡る事実関係については、ムーン・オブ・アラバマが優れた記事を出している。米軍やポーランド軍が関与していたことを示唆する事実が数多く存在する。
Whodunnit? - Facts Related to The Sabotage Attack On The Nord Stream Pipelines

ノルドストリームに対する攻撃は以前にも行われたことが有る。2015年の定期調査ではパイプラインの直ぐ隣で爆発物を搭載した遠隔操作車両が発見されており、アンビリカルケーブルが切れていた。無人機の国籍は明らかにされていない。
professional hog groomer @bidetmarxman

2022/08/26の発表に拠ると、英国海軍は、何十人ものウクライナ人に水中ドローンの使い方を訓練している。
Royal Navy divers train Ukrainians to hunt for mines with underwater drones

2022/09/26、ロシアに対する制裁の終了とノルドストリーム2の再開を要求して、ドイツ各地で大規模デモが行われた。ノルドストリームの破壊が報じられたのはこの翌日だ。
RadioGenova @RadioGenova

2022/09/29のダグ・マグレガー大佐による、例によってミもフタも無い解説。ノルドストリームの破壊は誰がやった? 勿論ロシアの訳は無い。ロシアの重要な収入源であるパイプラインを破壊して、ロシアに何かいいことが?。ドイツの可能性も低い。ロシアのガスが無ければドイツ人はこの冬を越せない。だが遂行能力を考えるなら当然候補は絞られて来る。
Col. Doug Macgregor - Ukraine Russia War Latest


2022/02/23、ノルドストリーム2に関するバイデン大統領の声明より:「以前にもはっきりさせましたが、ロシアがエスカレートを続ければ、躊躇せずに更なる措置を講じます。」バイデンが約束を守る人間なら、まぁやると言ったことを実行したんじゃないの?
Statement by President Biden on Nord Stream 2

2022/01/25のアルジャジーラの記事より、ドイツ外交問題評議会シュテファン・マイスター氏のコメント:「大多数のドイツ人はこの(ノルドストリーム)プロジェクトを支持しており、パイプラインに反対しているのは一部のエリートとメディアだけだ。」
Nord Stream 2: Why Russia’s pipeline to Europe divides the West

2022/02/07公開のマイケル・ハドソン教授の論説より:「米国の外交官が欧州の(ノルドストリームを通じたロシアのガス)購入を阻止する為に残されている唯一の方法は、ロシアに軍事的対応を迫り、この対応に返報することは純粋に国家的な経済的利益を上回ると主張することだ。」
America’s Real Adversaries Are Its European and Other Allies

2022/02/13に公開されたマイク・ウィットニー氏の記事。ノルドストリーム2を巡る状況を理解する上で参考になると思うので改めて紹介する。「ウクライナ危機はウクライナとは何の関係も無い。それはドイツ、特にドイツとロシアを結ぶノルドストリーム2と呼ばれるパイプラインに関するものだ。」「(ドイツとロシアの)関係が温かくなるにつれて、より多くの貿易障壁が取り除かれ、規制が緩和され、旅行と観光が増加し、新しい安全保障構造が進化する。ドイツとロシアが友好国であり貿易相手国である世界では、米軍基地も、高価な米国製の兵器とミサイル・システムも、NATOも必要無い。また、エネルギー取引を米ドルで取引したり、口座のバランスを取る為に米国債を備蓄したりする必要も無い。ビジネス・パートナー間の取引は、自国の通貨で行うことが出来るが、これはドルの価値の急激な下落と経済力の劇的な変化を引き起こさずにはいられない。これは単なるパイプラインではない、これは未来へ向けて開かれた窓なのだ。
The Crisis in Ukraine Is Not About Ukraine. It’s About Germany

ノルドストリーム爆破事件を理解する上で知っていた方が良い背景知識。2022/08/31のエングダール氏の論説。エネルギー危機はロシアではなくベルリンとブリュッセルが意図的に仕組んだものであり、2022年のウクライナ危機より何年も前から徐々に進められて来たものだ。グローバル・パワーエリート層は庶民の生活を犠牲にして産業の空洞化を進める為に自殺的なアジェンダを遂行している。金融本主義者達と彼等が愛するグリーン・アジェンダは、99%の人々の利害と完全に相反しているのだ。
Europe’s Energy Armageddon From Berlin and Brussels, Not Moscow
 以下は別リンクと邦訳。
Europe’s Energy Armageddon from Berlin and Brussels, Not Moscow
モスクワでなく、ベルリンとブリュッセル発のヨーロッパのエネルギー・アルマゲドン

★ノルドストリーム爆破事件についてのロシア駐在特派員ジョン・ヘルマー氏の分析の要点。この事件はEU/NATOの内部分裂と呼べるものだが、この記事では特にポーランドによるドイツ攻撃に焦点を当てている。
ボーンホルム爆破事件はボーンホルム騒動を繰り返す———ポーランドはドイツを攻撃し、ロシアを非難する(要点)

ロシアはガスの供給をエサにして、EU、特にドイツとの平和交渉を進めようとしていた。実際、ドイツの政治エリート達は民主主義国を名乗りながら完全に民意を無視して行動しているが、対ロシア制裁の悪影響に苦むドイツ人民は大規模な抗議行動を起こしている。ロシアにとってノルドストリームは大規模なビジネスチャンスであるだけではなく、平和に向けた重要な切り札だった。その切り札を自らドブに捨てるなどと云う愚行をロシアが自らやらかしたなどと云う主張は馬鹿馬鹿し過ぎる。
Nord Stream Explosion Removes the Chance of Separate German-Russian Peace

基本的な事実をお浚いしておくと、2022/09/16にもプーチン大統領は、EUがロシアからのガスが欲しいなら、ノルドストリーム2に対する制裁を解除すれば良いだけだと発言している。EUにガスが送られていないのはロシアではなく100%EUの責任だ。
Putin tells Europe: if you want gas then open Nord Stream 2

★ノルドストリーム爆破事件について"Thank you, USA."と呟いてしまって炎上したうっかりさん、ラドスワフ・シコルスキについて、幾つか興味深い事実を見付けたのでメモしておく。
ラドスワフ・シコルスキ

★ノルドストリーム爆破事件についてのペペ・エスコバル氏の分析の要点。状況証拠から見て誰がやったかは見当が付く(無論ロシアではない)。
ドイツとEUは宣戦布告を受けた(要点)

2022/09/30、ブリンケン米国務長官は、ノルドストリームの爆発は「途方も無いチャンス」だとはしゃいでいる。ノルドストリーム2の爆発で得をするのが誰かは、誰でも知っている。欧州にLNGを高値で売り付けることで大儲けしている米帝だ。
Nord Stream explosions are a ‘tremendous opportunity’ – US

2022/09/29のザハロワ報道官の発表に拠ると、NATOは6月にノードストリーム1と2のパイプラインでガス漏れが検出された地域(デンマークのボーンホルム地域)で、深海機器を使用した演習を実施した。実際バルト海での演習「BALTOPS 22」では新テクノロジーである無人水中車両(UUV)がボーンホルム島沖で展開された。
NATO tested underwater ‘equipment’ close to Nord Stream – Moscow

ノルドストリームの破損が破壊工作に因るものだとしたら、誰がやったのかはあたしゃ存じませんが、2022年2月に「若しロシアが侵略したら、つまり戦車隊や軍隊がまたウクライナ国境を越えたら、ノルドストリーム2はもうお終いだ。我々が終わりにしてやる」、「必ずやる………必ず出来ると約束する」と犯行予告をしていた野郎が居たことは憶えています。
Biden in February: “If Russia Invades, We Will Bring an End to Nord Stream 2"
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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