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機密解除された諜報ファイルが暴露する、ボスニア戦争の不都合な真実(要点と補足)

キット・クラレンバーグとトム・セッカー氏の記事。ウクライナ紛争は「NATOがウクライナを捨て駒にしてロシアを征服しようとしたらロシアから思わぬ反撃を喰らった」紛争だが、マスコミを使った大規模な知覚操作(認知戦)によって、「ロシアによる謂れ無きウクライナ侵略」へと見事に話が作り替えられてしまった。主客が180度転倒されてしまった訳だが、この様に構図が引っ繰り返されることは戦争プロパガンダに於ては珍しくない。侵略する側は大抵、自衛の為だとか人道保護だとか、尤もらしい大義名分を必要とするものだ。そうした知覚操作の顕著な例のひとつが、1990年代の一連のユーゴスラヴィア紛争で、あれも一から十まで嘘で固められた紛争だった。この記事では1992〜95年のボスニア戦争を取り上げているが、民族浄化の被害者だったセルビア人が、民族浄化の加害者に仕立て上げられてしまった舞台裏を暴露している。ウクライナ紛争とも共通点が多いので、現在の状況を理解する上でも参考になるだろうと思う。イスラム教徒対セルビア人がナチス対ロシア人と、変数は変わっても方程式は一緒だ。一度騙された嘘にはもう二度と引っ掛からないよう注意しないと、何度でも同じ手口で騙される。
Declassified intelligence files expose inconvenient truths of Bosnian war




 ボスニア戦争については西洋諸国では今だに神話が罷り通っていて、自称反戦左派の多くも、今だにこの神話を盲信していたりする。それに拠れば、「最後の共産主義独裁者」「現代のヒトラー」と西洋大手メディアから呼ばれたスロボダン・ミロシェヴィッチと彼の支持者達が支援するセルビアの分離主義者グループが、民族統一主義者の「大セルビア」を作ろうとしてクロアチアとボスニアの領土を強制的に占領しようとしたことになっている。彼等は建設的な和平交渉への参加を繰り返し拒否する一方で、先住民族のイスラム教徒達に対してジェノサイドを繰り広げたと云うのだ。この話は当時の西洋大手メディアによって事実として宣伝され、紛争終結後も、国連が創設した旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷(ICTY)なる見せ物裁判によって更に正当化された。こうした話は交渉は宥和に繋がるだけだと云う主張を強化し、軍事介入を要求するNATOのタカ派を正当化することになった。

 だが、これは真っ赤な嘘だ。

 この嘘については既に数多くの調査が為され、何冊もの本が書かれているが(但し当時嘘を広めたTVや新聞では触れられないが)、2022年初めに「カナダ機密解除」と云うサイトが公開した、国連保護軍の一部としてボスニアに派遣されたカナダ平和維持軍がオタワの国防本部に送った大量の諜報電報もまた、これらの一連の嘘の真相について証言している。

 緊張のエスカレーションを回避すると云う国連の平和維持ミッションは惨めな失敗に終わった訳だが、CIAの秘密作戦、大量の挑発行為、違法な武器の移送、ジハード戦士の輸入、偽旗作戦、仕組まれた残虐行為等の語られなかった諸事実を見てみれば、失敗するべくして失敗したのだと云うことが解る。

 通信の全文はこちら
 抜粋はこちら



 前提として、1992年に欧州共同体によって提案された、民族ラインに沿って自治区を作ると云う和平協定を、米国は妨害した。それどころか1992/03/28、駐ユーゴ米国大使はボスニアのイゼトベゴヴィッチ大統領に、ボスニアを独立国家として承認し、その後に起こるであろう戦争に於て支援するまで約束したと伝えられている。

 通説では、米国は交渉過程に於てEUの影響力が強まることを恐れていたことになっているが、今回の通信が明らかにしているのは、ワシントンが本当に望んでいたのは、ユーゴスラヴィアを瓦礫の山に変え、戦争を可能な限り長引かせ、独立共和国存続に最も熱心だったセルビア人を暴力的に屈服させることだった。

 公の神話では、和平交渉が頓挫したのはセルビア人が妥協しなかったからだと云うことになっている。だが通信文は、妥協しなかったのはイスラム教徒の方だったことを伝えている。また「外部からの干渉(つまりワシントン)」がこの非妥協的な態度を奨励したことも伝えている。

 1993/09/07の通信は、「イスラム教徒に対する武器禁輸措置を解除し、セルビア人を爆撃したいと云う米国の明確な願望は、旧ユーゴスラヴィアでの戦闘を終わらせる上で深刻な障害となる」と伝えている。
 
 その翌日の通信では、「セルビア人は停戦条件を最も順守している」、そして、「イゼトベゴヴィッチがセルビア人に対して空爆が行われると信じている限り、ジュネーヴで真剣な会談は行われないだろう。これらの空爆は彼の立場を大幅に強化し、交渉に余り協力的でなくなる可能性が有る」と伝えている。

 イスラム教徒の戦士達は「和平交渉に機会を与えず」、イゼトベゴヴィッチの路線を喜んで支持すると伝えられているが、1993年後半には彼等は停戦に違反して、ボスニア全土のセルビア領土に無数の攻撃を開始した。セルビア側も攻撃したが、12月の電報では、初夏以降、「セルビア人の活動の殆どは防衛目的か、イスラム教徒の挑発に対応するものだっだ」と伝えられている。

 1993/09/13の電報は、サラエボでのイスラム教徒によるボスニア・セルビア軍(BSA)に対する攻撃について触れているが、この目的は恐らく「挑発的な事件を起こしてセルビア人を非難することで、西洋諸国の共感を高める」ことであろうと伝えている。2日後の電報では「BSAは自制している」と伝えている。「BSAがイグマン山を占領しても、サラエボの状況に悪影響は無い。イゼトベゴヴィッチが交渉を遅らせるのは言い訳に過ぎない。彼自身の軍隊こそ(07/30の)停戦協定の最悪の違反者だった。」

 1980年代にソ連軍を泥沼に引き摺り込む為にCIAやMI6から支援を受けてイスラム原理主義者達は、1992年後半からボスニアに活動の場を移し、クロアチア人やセルビア人に対するジハードを繰り広げた。

 ムジャヒディーン達は「秘密飛行(black flights)」で頻繁に到着した。それと共に、国連の禁輸措置に違反して、大量の武器も輸入された。これは最初はサウジが資金援助を行うイランとトルコの共同作戦として始まったが、武器の量が増えてからは米国が引き継いだ。

 通信文ではムジャヒディーンの戦士やボスニア人が直接言及されることは無く、「イスラム教徒」と婉曲表現が使われているが、ムジャヒディーンが内戦に於て重要な役割を果たしたことは明らかだ。

 2001年に米国のバルカン交渉担当者リチャード・ホルブルックはこれらの支援を「悪魔との取引」と表現し、ボスニア人はこれらの支援が無ければ生き残れなかったろうと述べている。

 1993年冬の諜報報告書は、対立する3つの陣営の「脆弱で分散化された指揮統制システム」が、「武器の広範な拡散と、往々にして個人的・地域的なアジェンダを持つ様々な公式・非公式の準軍事グループの存在」を生み出したと述べているが、これらの「非公式」グループの中には勿論ムジャヒディーンも含まれる。

 1993年12月、平和維持部隊の報告では、欧州共同体の交渉責任者を務めた元英国政治家のデヴィッド・オーウェンは、「ボスニアでの130,000人のイスラム教徒の死に責任がある廉で死刑を宣告された。」この判決を下したのは「イスラム教徒名誉裁判所」で、「判決を執行する為に欧州中に45人が配備された」と言われている。が、戦争中に殺されたボスニア人、クロアチア人、セルビア人全員を合計しても13万人にはならないし、ファトワを実行するボスニア人の宗教過激派ネットワークは実在しなかった。

 1994年1月の通信では、「イスラム教徒は、西洋諸国の同情を更に得る為に必要とあらば、自国民や国連地域に対して発砲し、セルビア人が犯人だと主張することも厭わない。イスラム教徒は、国連の建物や病院等のセンシティヴな建物の非常に近くに大砲を配置することが多いが、これは国際メディアが注目する中、セルビアの反撃がこれらの場所に当たることを期待してのことだ。」

 また別の通信は、「国連軍(ノルウェーと英国)を装ったイスラム教徒の軍隊」が発見されたことを伝え、こうした展開によって「正規の国連軍がクロアチア人の標的になる可能性が大幅に高まる」可能性を懸念している。「これは正にイスラム教徒が意図していることであり、恐らくクロアチア人への空爆に対する更なる圧力を齎す可能性が有る。」

 更に同月の別の電報は、「イスラム教徒」がボスニア人への人道支援の目的地であるサラエボ空港を偽旗攻撃で標的にするだろうと推測した。そうしたシナリオでは当然「明らかにセルビア人が犯人」とされる為、「イスラム教徒はその様なセルビア人の活動から多くのプロパガンダ的価値を得る。」従って「イスラム教徒にとって、砲撃を行ってセルビア人を非難することは、非常に魅力的だった 。」

 1994/02/05、マルカレの民間市場で爆発が起こり、68人の死者と144人の死傷者が出た。この事件の真相は不明で、当時の国連は原因を特定出来なかったが、治安維持部隊はその後、ボスニア人の側に責任が有るのではないかと疑っていると証言している。

 今回の通信記録は、ジャーナリスト達が「非常に迅速に現場に誘導された」ことや、「その地域によく目に見える形でイスラム軍が存在していた」こと等、この事件に不自然な点が有ったことを伝えている。「我々は、イスラム教徒達がメディアの注目を集める為に、過去に自分達の市民や飛行場に発砲したことを知っている。」「サラエボ郊外のイスラム教徒達は、過去に自分達の陣地に爆薬を仕掛け、メディアが注目する中で爆発させ、セルビア人の砲撃だと主張したことが有る。これは後にイスラム教徒がセルビア人に『反撃』し攻撃する口実として利用された。」

 にも関わらず、ICTYは2003年に、虐殺はセルビア軍の砲撃によって意図的に引き起こされたものだとしてセルビア人の将軍に有罪判決を下し、これは控訴審で持ち越された。



 繰り返すが、ボスニア戦争で使われた様な騙しのトリックが、ウクライナ紛争でも大規模に繰り返し使われている。そして「交渉すれば『侵略者』を大胆にさせるだけだ」と云う神話は西洋諸国に根強く残っているが、これが西洋諸国による壊滅的な介入を正当化して来た。そして嘘と二重基準に基付く「人道危機に対する懸念」が、屢々本物の侵略戦争を支持する世論を形成する為に利用されて来た。本当に戦争に反対したいなら、真っ先にすべきことは、マスコミが伝える内容に対して脊髄反射的に義憤を滾らせることではなく、戦争プロパガンダの嘘を冷静に見抜くことだ。目の前で繰り広げられているのがどんな戦争なのかを先ず理解しないことには、戦争に反対しているつもりで戦争を支持する羽目になってしまう。
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セルビアの選択:ロシアと絆を断ち切るよう、西洋から強要されて(要点)

ロシアに対するセルビアの立ち位置を描いたRTのドキュメンタリー。
Serbia’s Choice: Forced by the West to Cut Ties with Russia | DIG DEEP DOCUMENTARY

 Youtubeの方が削除されてしまった様なので別リンクを紹介しておく。




 NATOによってジェノサイドを濡れ衣を着せられた上で「人道的爆撃」によって破壊されたセルビアに対して、当時ロシアは制裁に加担していなかったが、今セルビアのヴチッチ大統領は西側から執拗な脅迫を受けつつも、対ロシア制裁への加担を拒否したがっている。

 国連人権委員会からのロシアの追放に対してセルビア政府が賛成票を投じた時には、大勢のセルビア市民が街頭に出て抗議の意思を示した。

 セルビアの人々の約8割は親ロシア。ロシア恐怖症はセルビア恐怖症でもある。

 最近の世論調査では市民の大半はEU加盟に反対している。

 欧州諸国はロシア文化全般をキャンセルしているが、セルビアの映画祭ではロシアの作品が一等を取った。

 ウクライナの負債はロシアが払ったが、ウクライナ政府は自国を苦しめた西側諸国に接近し、セルビアはコソボの負債を払ったがコソボも西側の傀儡と化した。

 セルビアはロシアと一体だと感じている市民は多い様だ。

ソ連後の最初の重要な紛争でロシア軍がユーゴスラヴィアでNATO軍と対峙した経緯(要点)

1999年のNATOによるユーゴスラヴィア爆撃後の知られざる歴史。

How Russian troops confronted NATO forces in Yugoslavia, in a significant post-Soviet first



 ベオグラードが降伏し、NATOの「平和維持軍」がコソボに配備される中、西側が支援するアルバニア人のコソボ解放軍(KLA)の民族浄化からセルビア人を守ってくれる者は誰も居なかった。

 ロシアはセルビアと強い歴史的・感情的繋がりを持っており、ソ連は崩壊したばかりでチェチェンの過激派のテロに悩まされていたので、セルビア人の置かれている状況に同情する人が多かった。

 モスクワはNATO平和維持軍への参加を希望したが、その際セルビア人が住むコソボ北部のプリシュティナのスラティナ空軍基地にロシア軍を進軍させると云う秘密作戦を決行した。

 地元の人々からは温かい歓迎を受けたが、米軍のウェズリー・クラーク将軍は激怒し、英軍が空港を取り囲んで睨み合いが続いたが、ロシア大隊を倒せば核保有国であるロシアとの間で第三次世界大戦が起こる可能性が有り、結局は政治家同士の交渉により妥協が為された。

 2003年に撤退するまでロシアの平和維持軍(合計650人)がコソボで活動したが、当時ロシアは弱い国で、NATOの黙認の下で行われたセルビア人に対する民族浄化を止めることは出来ず、セルビア人の多くは国を去った。

 結果はどうあれ、少なくともこれはソ連後のロシアが西側に決定的な「NO」を言うことの出来た初めての事例だった。

 それまで欧米に好意的だったロシアの世論はこれを機に変わり、西側の偽善に対する疑問が広まった。

「ナイスは証拠を隠滅していた。カルラ・デル・ポンテもそれを知っていた」(要点)

NATO諸国から「現代のヒトラー」とフェイクニュースによって悪魔化された旧ユーゴスラヴィアの元大統領、スロボダン・ミロシェヴィッチに対する裁判で主任検察官を務めた英国のジェフリー・ナイスについての記事。

"Nice was destroying evidence, Carla Del Ponte knew it too"



 ナイスは、コソボとメトヒヤで起こっていることは、(実際には民族浄化の対象となっていた)セルビア人が「拡大セルビア」を作ろうとして民族浄化を行って起きていると主張した。

 彼は多くの文書にアクセス出来た筈だったので真相を知っていた筈だ。これは当時ハーグ法廷に参加していたブラニスラフ・タプスコヴィッチ氏の証言に拠るものだが、彼はハーグの元主任検察官カルラ・デル・ポンテ氏にもこの件を話したことが有る。

 ハーグ国際法廷を去った後、ナイスは今度はコソボ解放軍(KLA)の元指導者サミ・ルシュタクの弁護を引き受け、彼が所謂「イエローハウス事件(KLAのメンバーがセルビア人を誘拐し、彼等の臓器を収穫していた事件)に関与していた証拠を隠滅した。

 コソボに拠点を置く新聞に拠ると、ナイスはアルバニアのロビーから多額を受け取っており、この証拠隠滅でテロリストを庇うことによって、1日に2,200ユーロと交通費を稼ぐことになった。

 因みにナイスは最近では「ウイグル法廷」なる、司法制度そのものを愚弄するかの様な恥知らずな裁判ごっこを率いて反中デマを流している。

セルビア:戦争の兆候———コソボ紛争の厳しい将来(要点)

高まるコソボ問題についてのRTのドキュメンタリー。
Serbia: Signs of War - The stark future of the Kosovo conflict DOCUMENTARY





 NATOが勝手に独立させて支配しているコソボでは、「国境」を超える際に車のナンバープレートを交換する強制措置が執られ、コソボを国として承認するよう圧力が強まっている。

 ミロシェヴィッチ大統領と共に民族浄化の実行犯と云う濡れ衣を着せられたセルビア人は1999年のNATOによる違法な爆撃以降も執拗な迫害を受けており、2019年末頃から暴力が激化。

 パキスタン・アルジェリア・モロッコからは兵器化された移民が送り込まれて来て危機を作り出している。

 2018/12/19に承認されたマラケシュ合意により移民が増加し、自警団は政府内に西側の傀儡が多い現状に不満を抱いている。

 コソボのキャンプ・ボンドスティールは米軍/NATOがバルカン諸国と南欧を支配するインフラとしてに不可欠。

 セルビアとハンガリー(共にNATO加盟国)にガスを供給しているパイプラインはまだ健在の為、これは欧州のエネルギー安全保障を崩壊させ、エネルギー供給源としてのロシアを抹殺すると云うワシントンのアジェンダにとって障害となっている。

 1995年からの「オペレーション・ストーム」等の民族浄化の蛮行を覚えている世代はまだ大勢居て(当時は今のロシア軍の様に助けに来てくれる者は誰も居なかった)、今度こそ身勝手な大国の言いなりにはならない、と決意した人々の支持を得て、弱腰を批判されることも有るヴチッチ大統領は、コソボのビザを持たないセルビア人を自宅から追放すると云うコソボの暴挙に対して毅然とした対応を行った。

 セルビア人を人質に取る様な真似を止めなければ、セルビア政府はブリュッセルの命令に逆らってでも、一丸となって自国民を守り抜く積もりだ。1999年当時、新兵として戦った男性の発言が印象的だ。

 「我々は自分達の運命が、世界中の運命がウクライナで決しようとしていることを知っている。『西洋の嘘の帝国』はウクライナで死ぬだろう。」

イランの騒動でフェイクニュースが大爆発(結論部分のみ)

「女性の人権を求めて抗議する人々を弾圧する恐怖の全体主義国家イラン」についてのフェイクニュースについては余りに多いので私は真面目にカヴァーしていなかったのだが、グレイゾーンがデバンキング記事を書いてくれたので、結論部分だけを簡単に挙げる。個別の証拠画像付きの詳しい論証が読みたい人は元記事を読んで欲しい。
Iran’s unrest triggers explosion of fake news



 ・「抗議に対する取り締まりは、ウクライナ戦争と同じ位の死者を出した!」
 → 「人権団体の報告では、09/22〜10/17の間にイランで224人の抗議者が死亡し、09/01〜25の間に216人のウクライナ市民が死亡した」と云う恣意的な日付の切り取りによる印象操作。しかもこの「人権団体」とやらがどの組織なのかは不明。

 ・「ヒジャブを着けずに出場した女性ロッククライマーの家族の家が取り壊された!」
 → 取り壊されたのは家ではなくリゾート施設
   これは彼女の資産ではなく彼女の兄弟の資産。
   取り壊しの理由は政治的なものではなく建築基準違反
   取り壊しが行われたのは6月(彼女が大会に出場したのは10月)。

 ・「15,000人の抗議者が死刑を宣告された!」(この件に関するジャスティン・トルドーのツイートは後に削除された。)
 → 暴力的な暴徒に限定してより強力な措置を求めるイラン議会の決定を巡る全くの偽情報で、最初にこの話を広めたのはCIA工作員だった故ジャマル・カショギの名で設立された組織 Dawn MENA に雇われたイランからの移民で、その次はNATOが資金提供するカーネギー基金に雇われたイランの反体制活動家

 ・ヒジャブを被らなかったことで道徳警察に殺害された娘の葬式で踊る父親の映像。
 → 映像はアゼルバイジャンのドラマシリーズのワンシーン
   同じ映像が以前「COVID-19で亡くなった娘の葬式で踊る父親」「シリア政権に殺された娘の葬式で踊る父親」の映像として拡散している。

 ・「イラン政府はクルド人の名前の登録を禁止している!」(by国連報告者
 → そんな事実は無い。イラン政府のオンライン公式名簿には、報告者が挙げた Zhina と云うクルド人の名前が少なくとも5686人登録されている。

 ・イランの元サッカー選手のアリ・カリミが拡散した嘘。
 1)「イランの抗議者が重機関銃で撃たれた!」
  → 画像は交通事故のもの。
 2)「クルド人の街でイラン政府が大虐殺!」
  → 画像は2016年にアフガニスタンのカブールで起きた爆破事件のもの。
 3)イランの治安部隊に虐待された少女の画像。
  → 画像はパキスタンの慈善団体の2012年ホリデー募金活動のもの。

 ・イランの治安部隊に殺害された抗議者の画像。
 → 画像はイランのラッパーのもので、まだピンピン生きている。

 ・「イラン人歌手が逮捕された!」
 → 本人とその兄弟がインスタグラムで反論。そんな事実は無い。

 ・「大規模な反米抗議運動の参加者達はタダ飯目当ての『レンタル抗議者』に過ぎない!」(by大西洋評議会)
 → もてなしと宗教的敬虔さを示す方法として、公共の集まりで個人が飲み物や食べ物を提供するのは一般的慣習だ。巡礼でも無料の飲み物食べ物や宿泊施設が参加者に振る舞われる。但し最近行われた大規模な政府支持集会に於て、食糧が配給された証拠写真は存在しないし、猛烈な吹雪の中をわざわざ集まった大勢の人達は、食べ物が目当てだったとでも?

 ・「イランの治安部隊が抗議者達に発砲!」
 → この情報を拡散した当のサイトが、「ニュースの信憑性を確認出来ませんでした」、衝突が発生した「と言われています」と断っている。

イランでの2022年9月からの抗議行動

★「イランの抗議行動弾圧」についてのフェイクニュースのデバンキング。
イランの騒動でフェイクニュースが大爆発(結論部分のみ)

★イランの「ヒジャブ強制」の実態についての解説。
イラン:ヴェールを被るべきか被らざるべきか(要点)

イランでの暴力的な抗議行動は2022/11/03になってかなり暴力的になっている様で、抗議者達は「石、ナイフ、鉈、銃」を使って(警察の武器を奪っている者も居る様だが、そもそも誰が銃を提供したのか?)、警察、イスラム革命防衛隊、民間人を死傷させている。どう見ても「平和的な抗議行動」とは呼び難い。
Violence by armed rioters escalates in Iran

この記事は全体像がよく纏まっていると思う。現在イランで起こっている抗議行動が米帝が仕組んだレジームチェンジの為のカラー革命工作であることは、様々な証拠から裏付けることが可能だ。イランに女性の人権問題が存在するのは事実だが、それをいきなり政権交代に繋げるのは話が別だし、米帝から資金提供を受けている「人権活動家」は、イランやアフガニスタンの様な国を標的にはしても、同じ問題を抱えるサウジアラビアのことは無視している。CIAのフロント組織であるNEDが2021年にイランの「民主主義を促進」する為に投入した予算は631,500ドル。CIAやMI6は1953年に民主的に選出されたモサデク大統領を排除してシャーを権力の座に戻したが、その結果四半世紀も残虐な圧政が続いたことは歴史にはっきりと書かれている。全体像を見落としてしまうと、小さな悪を非難した結果、それより遙かに大きな悪を呼び込むことになりかねない。

Is the CIA Supporting Another Color Revolution in Iran—Like the One that Installed the Shah in 1953?

公式筋に拠れば、死亡したマーサ・アミニ氏は脳腫瘍を患っており、事件の前に暫くの間治療を受けていた。医療記録は彼女が治療の為に病院を何度も訪れたことを示している。
West politically exploits death of Mahsa Amini through fake news

マーサ・アミニ氏の死について、警察は死因として心臓発作を挙げたが、地元メディアは、彼女が拘留される前に様々な健康上の合併症に苦しんでいたと報じている。但し彼女の家族はこれらの主張を否定し、彼女は完全に健康だったと主張している。そして思い出すべきなのはイラン政府はCOVID-19パンデミック詐欺を支持しており、人々に対する遺伝子ワクチンの接種を進めているので、若い人の突然死や、ワクチン被害の否認は珍しくないであろうと云うことだ。
Iranian police claim woman arrested over hijab died of heart attack in custody - incident sparked protests

マーサ・アミニ氏の死に続いた抗議行動は直ちに反政府運動に発展し、クルディスタン州では抗議者達はハメネイとカセム・ソレイマニ司令官の肖像画に石を投げ付け、火を放った。これが西側によって扇動されたものであると云う間接的な証拠だ。
Wake up Zhina! People have come for you! – Mahsa Amini’s grieving mother

イランの抗議行動の様子。中には本当に平和的なデモも見られるが、過激な暴力行為を合法的な抗議行動と認める政府は無いのではないかと思う。因みにイランに於ける人工芝運動を使ったレジームチェンジ工作は1953年のモサデク政権に対するクーデターが有名だが、それにって権力を得たシャーを打倒する1979年のイラン革命にもカラー革命の要素が有るので話は単純ではない。
The Biggest Women-led Protest in Iran’s History


↓下3つのネタはこちらの解説動画から。義憤を燃やすのは自由だが、ちゃんと状況の全体像を掴んでからにしよう。
Iran: Protests From Within or Regime Change From Without?


マーサ・アミニ氏が拘束中に倒れた瞬間の映像。イラン当局の検閲を受けた映像ではあるだろうが、斃れる前に女性警察官から暴力を受けている様には見えない。この前に暴行を受けていたと云う可能性も除外出来ないが、彼女が暴力を受けたと云う父親の主張はこの映像からは裏付けが取れない。
Beaten by Iran's Morality Police Over Hijab Law: 22-Year-Old Woman Dies


グレイゾーンによるイラン在住の女性研究者Setareh Sadeghi氏のインタビュー。Twitterで最大規模のトレンドになっているマーサ・アミニ氏死亡事件を巡る暴力的な抗議行動は、イラン人の多くが道徳警察には反対しているにも関わらず、テヘランの外まで広がることは出来ていない。女性の人権よりもレジームチェンジに重きを置いている為、多くの女性は参加を拒否している。抗議は特に外部からソーシャルメディアを通じて扇動されたもので、暴力はMEKの様なテロ組織が煽っている。そうではない平和的な抗議行動の方は弾圧は受けていない。イラン女性の地位向上は人々の啓蒙によってのみ達成出来るものだが、ワシントンからの制裁は状況を悪化させているだけ。トランプ政権の様にバイデン政権も、これを核交渉を拒否する口実に利用するだろう。
Iran’s protests: a different view from the ground


2022/10/02のイランのPressTVの報道に拠れば、米帝とイスラエルが支援する分離主義の過激派グループがシスタンとバルチェスタン州のザーヘダンでテロ攻撃を行なった際、イスラム革命防衛隊(IRGC)メンバー4名が殺害された。ザーヘダーンでは集会の祈りの後、幾つかの警察署と公共の場所で武力攻撃が開始され、19人が死亡し、20人が負傷した。同様に市内の消防車、緊急ステーション、銀行にも火が放たれたが、暴動は治安部隊の活動によって鎮圧された。
Funeral procession held for Iranian security forces killed in Zahedan terrorist attack

2022/10/02のイラン情報省の公式説明。「テヘラン市内の警察署内で最近、クルド系イラン人女性マフサー・アミーニーさん(22)が脳死状態となり、病院に搬送されたものの3日後に死亡が確認され」た件については、「イラン政府側の責任者らは、この事件に関する独立調査の実施を要請」しているが、それとは別に、「過去数日間に、反イランテロ組織モナーフェギン(MKO)とつながりのある者および因子49名が逮捕された。これらの人物は、アルバニアに潜伏するモナーフェギンの命令により、暴徒を扇動するフェイクニュースの作成に始まり、テロや破壊行為の組織化、スローガンへの方向付け、暴動の現場への直接参加、公共財産の破壊、警察への対抗のための装備、および公私用車両や公共施設への放火を目的とした爆発物の確保にいたるまでの活動を行っていた。」
イラン情報省が、国内で発生した一連の出来事について声明発表

イランのPars Todayの報道。イランでは2022/09/23、25、26に親政府デモが開かれ、イラン女性への支持を理由とするこの数日の騒乱や暴動を非難した。
イラン国内での数百万人規模の集会、市民による暴徒の排斥

★ブライアン・バーレティック氏による解説の要点。
イランの騒動の真相(要点)

何故ウクライナはドネツクの民間人地区を攻撃し続けるのか?(要点)

ロシア軍が特別軍事作戦を開始して以降も止まらない、ドンバスに対するキエフ軍の砲撃についての解説記事の要点。
Why Does Ukraine Keep Attacking Civilian Areas in Donetsk?



 ドネツク人民共和国の人権委員会に拠ると、2022年に戦闘作戦の結果として少なくとも1,091人の民間人が死亡し、更に3,533人が負傷したと記録されている。この数字には悲劇の全容がまだ評価されていないマリウポリ等の場所は含まれていない。これら計4,624名の死傷者は、キエフ軍によるドネツクとゴロフカの都市部に対する定期的な砲撃の犠牲者だ。

 
キエフ軍の軍事資源は限られているにも関わらず、彼等は軍事目標ではなく平和な住宅地を狙うことを止めてはいない。これは通常、ロシア語話者に対する純粋な憎悪の結果だと説明されることが多い(ティモシェンコ元首相は核兵器を使うべきだと主張し、ポロシェンコ前大統領は、「我々の子供達は学校や幼稚園に通うでしょう。彼等(ロシア語話者)の子供達は地下シェルターに座るでしょう」と発言している)。

 キエフ政府は2014年以降こうした人道犯罪を否認し、2022年以降はロシア軍が自軍の支配下に在る地域を何故か自虐的に攻撃したと云う馬鹿げた主張まで繰り返している。

 民間攻撃の主目的は、恐らく心理的効果だと考えられる。ドンバス軍の95%は地元住民で構成されている為、キエフ軍は民間人を攻撃することによって、前線に居る兵士達に街へ戻るよう心理的圧力を掛けることが出来る。

 但し前線が固定している時であれば、民間人への攻撃は前線から気を逸らせるのに役立つが、前線が移動している時には、兵士達を激怒させることによって逆に士気を高めてしまう効果も生む。最前線が移動していた特別軍事作戦開始初期に砲撃が殆ど止んだのは、敵をこれ以上やる気にさせてしまうことを恐れてのことだろう。

 民間人への攻撃は、軍事と政治の分裂をも生む。軍事目標の達成と人的資源の節約に関心を持つ軍事指導者達と、民間の有権者達の利益を代表し、砲撃テロを迅速に終わらせたい政治家達との思惑にズレが生じて、軍事戦略にも深刻な影響を与えるのだ。

機密文書:ドイツ連邦軍はロシアとの戦争を準備中(要点)

ミシェル・チョスドフスキー教授の記事の要点と補足。




 2023/01/25、WEFのヤング・グローバル・リーダーズの一員であるドイツのアナレナ・ベアボック外相は欧州評議会で、「我々はロシアと戦争をしている」と発言した。西洋諸国の政治指導者の多くは、自分達はキエフとロシアとの紛争に直接関与している訳ではないと否定して来たが、ウクライナ紛争が実質的にはNATO対ロシアの戦争に他ならないことを、当事者の一人が直接認めた形になった。しかしドイツがロシアとの直接的軍事対決を想定して準備していることを裏付ける証拠が有る。



 2022/11/14、ドイツのシュピーゲル誌はリークされた68ページのドイツ国防省の機密文書を公開し、ドイツ連邦軍がロシアとの戦争を準備をしていることを暴露した。

 「軍隊の作戦ガイドライン」と題された機密文書は、参謀総長であるエバーハルト・ツォルン将軍によって起草されたもので、ロシアを「差し迫った脅威」と明確に特定している。
 
 将軍は、ロシアによるヨーロッパ侵攻が「これまで以上に可能性が高い」とし、、ドイツ連邦軍は起こり得る攻撃に備えなければならない、と警告しているが、同時にドイツは「何時でも」地図から消える可能性が有るとも言っている。

 2022年2月の時点で、ドイツ連邦軍には183,638人の現役兵士と949,000人の予備役兵が居るが、これは緊急時には辛うじて防衛が可能な程度のものであり、「より強力な」軍隊を創設しなければならないと将軍は主張している。

 またロシアがNATOの東側国境を攻撃した場合、ドイツは「対応力と戦闘力」を提供する必要が有り、米国の支援を待つことは出来ないだろうと述べている。

 EUもNATOも、攻撃が起こってから計画を立て、軍隊を展開する余裕は無い。従って「我々が迅速に行動しなければ、欧州に展開可能な軍隊は存在しないだろう」と将軍は主張している。



 この文書のリーク自体は、ドイツ政府の「平和モード」の資金提供の遅さに軍部が痺れを切らしている兆候の可能性が有る。

 そもそも、2022/03/25のロシア国防省の発表に拠ると、この時点でキエフの空軍と防空システムは略完全に破壊されていた。そしてキエフ海軍は最早存在せず、軍要員全体の約11.5%が戦闘力を失った。つまりロシア軍の特別軍事作戦が開始されてから僅か1ヶ月で、キエフ軍は戦闘継続能力を失っていた訳で、それ以降の戦闘は米国とNATOの支援が無ければ不可能だった。ブリンケン米国務長官は、バイデン政権は第三次世界大戦を回避する為に、ロシアとの直接対決を避ける方針を明確にしているが、キエフは米国とNATOの支えが無ければ戦えない為、和平交渉が進まない限りは、遅かれ早かれロシアと西洋陣営との直接対決を避けることは出来そうにない。

 何度も指摘して来ているが、ウクライナを代理勢力としたNATOとロシアとの対決を望んでいるのはNATOの方だ。ロシアにとってはこれは自衛戦争なので、平和の保証無しに軍を退くことは有り得ない。NATO陣営のこうした警告は、自己実現型の予言となって、第三次世界大戦を引き起こす可能性が有る。

モルドバは「次のウクライナ」かも知れない(要点)





 モルドバ紛争はソ連崩壊に伴って起こった無意味で不必要な紛争のひとつだったが、これは1992年7月以降凍結されているだけで、平和が訪れた訳ではない為、欧州の火薬庫となる可能性は常に存在していた。

 モルドバが更に西洋に接近してルーマニアに統合された場合、沿ドニエストルは自らの主権を守る為に武力に訴える可能性が有る。

 その場合、ロシアは財政的・外交的・軍事的手段を含めて間違い無く介入するだろう。

 ソ連崩壊前からモルドバからの分離を求めていた沿ドニエストル共和国は、住民の60%がロシア人とウクライナ人だ。1992年にモルドバ政府が力尽くでの問題の解決に失敗して以降、沿ドニエストル共和国は未承認の領土に留まっている。

 沿ドニエストル紛争地帯の平和は、402人のロシア軍人、492人の沿ドニエストル軍人、355人のモルドバ軍人、そしてウクライナからの10人の軍事監視員から成る合同平和維持軍によって維持されている。これらは15の固定チェックポイントと、主要な治安区域のチェックポイントで活動している。

 2022年12月には、ウクライナのテレグラム・チャンネルが、ロシアのミサイルがモルドバの方向に発射されたと主張し、その件をモルドバのメディアが報じたが、モルドバ国防省はこの事実を公式に否定した。

 ロシアのラヴロフ外相は詳細は明らかにしていないが、既に半ば西洋諸国(NATO、EU、そしてルーマニア)の傀儡であるモルドバが反ロシア国家に作り変えられる可能性について警告を発している。

 モルドバの外相はラヴロフ外相の主張を否定し、市民が望んでいるのは汚職の根絶だと発言しているが、実際にはモルドバはウクライナ同様、欧州で最も腐敗した国のひとつだ。モルドバの腐敗認識指数評価は、マイア・サンドゥが大統領の座に就いた2020年以降、寧ろ悪化している。

 2023/02/03の世論調査結果では、外国の政治指導者達の中で最も支持されているのはロシアのプーチン大統領(38%)で、ルーマニアやウクライナは次点。西洋への接近を続ける腐敗したサンドゥ政権は、多くの市民の意思に反している。
プロフィール

川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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