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ウクライナの文化的ジェノサイド(要点と補足)

元SBU(ウクライナ保安庁。CIAが支援する現代ウクライナ版ゲシュタポ)職員だったが嫌気が差して自発的にロシアに亡命し、現在は主にキエフ政権の戦争犯罪を暴くことに焦点を当てているジャーナリストの作ったドキュメンタリーを見付けたので、多少補足しつつ要点を纏めてみる。ここで取り上げられているのは東部のルガンスク、つまり「親ロシア派」が多い地域なので、ウクライナ西部では洗脳の度合いはもっと酷いものと推測される。
CULTUROCIDE


 ウクライナでここ20年、特に2014年の軍事クーデター以降に行われている"Culturocide(文化的ジェノサイド)"を取り上げている。

 ウクライナでのナチ・カルトの浸透は年々酷くなっている。

 2007年にウクライナ蜂起軍をモチーフにした"Kryivka"と云うフランチャイズがオープンした時には、これは商業的趣向の一種に過ぎないと思われていたが、これも後も展開を考えれば、ナチ復権プロパガンダの一環だった。下の動画は秘密の地下レストラン「クリイフカ」の店内の様子。壁にはナチやナチ協力者の記念品がズラリと並んでいる。
Kryivka Lviv 🇺🇦 Hidden Restaurant in Ukraine


 2018年にポロシェンコ大統領が演習を視察した際、兵の一人がナチSSのシンボルである髑髏マークを制服に着けていたが、この時にはこれはスキャンダルになり、擁護者達は「これは不幸な孤立した事例だ」と弁明する羽目になった。だが2022年の時点ではナチのシンボルなど極く有り触れたものになってしまった。


 ナチ・イデオロギーを浸透させる試みは大人に対しても為されているが、重要なのは子供向けのプログラムだ。ナチ・イデオロギー・プログラムは5歳から始まっており、NATOについては「環境保護に取り組んでいる」「コンピューター犯罪に取り組んでいる」などと良いイメージだけが伝えられ、他国に対して無差別爆撃を繰り返している事実は一切教えられていない。


 学校図書館からはロシアの古典は排除されている。まだ焚書までは行っていないが、その一歩手前の状態だ。その代わりにキエフの文化省・情報省・情報政策省、それに様々な国際組織(ポーランドの組織、米国大使館の支援を受けたユダヤ人の研究所、ソロス財団等)が指定する書籍が溢れ返っており、ロシア恐怖症を煽り、捏造された歴史を子供達に伝え、彼等の世界観を歪めている。米国、NATO、マイダン・クーデター、第二次大戦中にナチスドイツに協力したウクライナのナショナリスト達を美化する書籍がどの図書館にも目立つ場所に置いてある。

 歴史改竄の事例を幾つか挙げると、ソ連については、全体主義国家であり、反対派を殺しまくり、如何なる民主主義的兆候にも反対した国として描かれているが、それと当時にOUN(クライナ民族主義者組織)は「ナチスの指導者達とではなくドイツ国防軍と同盟を結んだのであり、ソ連に忠誠を誓ってなどいない」と、ナチ・シンパを擁護する記述が見られる。バビ・ヤールの虐殺については多くのユダヤ人が殺害されたことは述べられているが、ウクライナ警察がこれを手伝ったことへの言及は無い。SSガリチア師団の創設については、現在のキエフ政府はこの師団こそが現在のウクライナ軍のプロトタイプであると繰り返し明言しているにも関わらず、一言も触れられていない。

 多くの本がNATOについてのもので、ウクライナのNATO加盟やそれについてウクライナが得られる利益について記述している。ブリュッセルのNATO本部でウクライナ向けに直接出版されたNATOの解説本も出回っている。これらはあからさまにウクライナのNATO加盟を宣伝しており、5歳の子供向けの漫画に「国を発展させ、静かで平和に暮らしたかったら、私達はNATOに加盟しなくてはいけないわ」などと云う台詞が書いていたりする。


 『ニキータの冒険』と云う漫画では、主人公はウクライナ兵で、敵はドンバスの分離主義者。敵は住宅地に発砲し、ウォッカを飲み、民間人を拘束したり人質に取ったりする。当然ウクライナ兵はドンバスの民間人を守っていることになっている。つまり現実にキエフの兵がドンバスでやって来たことが全て、「親ロシア派」の所為にされている訳だ。


 歴史漫画の基本パターンは2つ:1)ウクライナをオーストリア=ハンガリー帝国の一員として描くもの。2)ロシアを悪魔化するもの。どの図書館にも置いてある『ナチズムと共産主義に対する反乱』と云うパンフレットでは、OUNやUPA(ウクライナ蜂起軍)はソ連赤軍だけではなくナチとも戦ったことになっている。但し具体的にどの様な戦果を挙げたのか、数字は一切示されていない。『ウクライナ史100の重要な出来事』では、世界に於ける重要な出来事や価値の有る物はその多くがウクライナ人によって齎されたことになっている。世界中の有名人は実はウクライナ人だったのだ!と云う主張は情報政策省が2014年以来進めている「草の根」作戦の成果だ。

 マイダン・クーデターを美化した本がどの図書館にも置かれている。ATO(対テロ作戦)と称してロシア語話者に対する民族浄化を推し進めて来たナショナリスト達は英雄として描かれている一方で、ロシアやドネツク・ルガンスクの軍人、そしてドンバスの住民一般は、マイダン・クーデターに於ける悪役として描かれている。これらの本は無料で教育機関に配布されているが、希望者が特別な教育機関で使用する有料のものも有る。ドイツのナチと同じく、ウクライナのナチも視覚に訴える術に長けており、この分野で素晴らしいアートワークが幾つも生み出されている。


 これらの文化的ジェノサイドは、そこらのスキンヘッドの有志達が勝手にやっていることではなく、ウクライナの公式な国策として遂行されていることを理解することが重要だ。そしてウクライナを乗っ取ったキエフ政権の連中のバックに居るのは、西洋全体(The Collective West)だ。情報の歪曲やアイデンティティーの変更———これらは西洋文明が他国を支配しようとする時にお決まりの特徴だ。これらの洗脳教育が子供達の精神状態や世界観にどう影響を与えているかは、オンラインに大量に出回っている、ナチ式敬礼を交わす子供達の映像を見れば想像が付く。


 この様に、ウクライナのナショナル・アイデンティティーを捻じ曲げ、ウクライナとロシアを引き裂こうとする試みに多額の資金が投入されている。だが、歴史と伝統はそう簡単に消し去れるものではない。ロシア人が自分達の精神の底に沈んだ碇を忘れず、祖国と全世界をナチズムの脅威から救った真の英雄達が本当は誰なのかを忘れなければ、彼等の企みは失敗するだろうと、このドキュメンタリーは結んでいる。

英国のパンデミック政策を歪めた、ジャーナリストが運営し、諜報機関と連携する作戦(要点)

英国のCOVID-19「対策」が科学とは関係の無い所で行われている件についての、グレイゾーンのキット・クラレンバーグ氏の記事から要点を抜き出してみる。
The journalist-run, intelligence-linked operation that warped British pandemic policy



 英国のCOVID-19「対策」を決定するSAGE(Scientific Advisory Group for Emergencies/緊急事態の為の科学諮問グループ)が、科学に基付いてではなく科学を無視して政策を決定したことについてはこれまでも何度か触れて来たが、SAGEとは別に、2020年5月に設立された怪しげなロビー活動グループ、iSAGE(Independent Scientific Advisory Group for Emergencies/緊急事態の為の独立科学諮問グループ)なるものが存在し、英国の世論に大きな影響を与え、非科学的なゼロCOVID政策を熱心に推奨して来た。この紛らわしい名称は意図的に選択されたもので、注意深く無い市民は彼等の声が政府の見解を代弁していると誤解した。複数のメンバーがSAGEのメンバーも務めていた為に混乱は更に拡大し、疫学・ウイルス学・公衆衛生管理等の知識や資格を持っていない人々の私的な意見に過ぎないものが、屢々権威有る専門家の声として誤って広められた。

 2021年7月からメディアによってこの謎の組織の調査が行われたが、その結果、iSAGEの設立には The Citizens と呼ばれる別の謎の組織が関与していたことが判明した。これを率いているのはガーディアンのコラムニスト、キャロル・カドワラードで、Brexit投票にロシアの工作員が干渉したと云う全く裏付けの取れてない主張を行なって、英国版ロシアゲート事件を作り出した張本人。PR企業 Firstlight Group 代表ザック・キングはiSAGE創設者サー・デヴィッド・キングの息子だが、ザックとカドワラードは「マスコミ問題の処理」を担当し、iSAGEの行動科学者が自身の活動にメディアを巻き込みたい時は、両者が協力した。The Citizens は2020年6月にクラウドファンディングを募って6万ポンド(約一千万円)を調達したが、この資金調達の不透明さには内部からも懸念の声が上がっていた。寄付金の使途目的は「科学をフォローし続ける」と云うだけで、具体的に何処に流れるのかは不明。

 The Citizens は自称民主主義促進組織ルミネートから莫大な寄付を受け取っているが、2018年に創設されたルミネートは諜報機関と繋がりのアル米国のオリガルヒ、ピエール・オミダイアのグローバルなプロパガンダとレジーム・チェンジ・ネットワークの一部。ルミネートは2020年に The Citizens に「本当の Facebook 監視委員会」の為に15万ドル、「政府とビッグテックに責任を持たるインパクト・ジャーナリズム」の為に30万ドルを寄付している(現在はその記録は削除されている)。 カドワラードはフォード財団からも寄付を受け取ったと発言しているが、この記録は公式ウェブサイトには記載されていない。オミダイアの個人資産は2020年3月から7月の間に90億ドルも激増したが、これはロックダウン政策により主要な成長産業となった教育工学、デジタルヘルス、オンラインコンテンツへの広範な投資のお陰。ルミネートは2021年に更に30万ドルを寄付した。

 The Citizens の公式サイトはずっと「構築中」になっていて全くやる気が感じられないが、にも関わらず、元MI6のスパイで元FBI請負業者のクリストファー・スティール専用プロフィールを特集していた。ザック・キングはスティールが The Citizens や iSAGEで積極的な役割を果たしたことは無いと主張しているが、「必要に応じて呼び出すことの出来る無償専門家アドヴァイザー・ネットワークの一部」であることは認めている。

 iSAGEが発足した2020年3月、JBC(Joint Biosecurity Centre/共同バイオセキュリティ・センター)なる別の組織が立ち上げられており、これは2003年に設立された共同テロ分析センターのシステムをウィルスの拡散追跡に応用したもの。最初は次期MI6長官と目されていたトム・ハードが率いていたが、彼は直ぐ内務省のテロ対策に映り、政府通信本部の上級工作員クレア・ガーディナーが後を襲った。その後英国の公衆衛生部門は、英国公衆衛生庁が健康安全保障局(JBCはその下位部門)に置き換えられたことによって安全保障部門に乗っ取られた。JBCはその構成員・会議の議事録・データ・分析・議論全てが非公開であるにも関わらず、何時でも説明や警告無しに、完全なロックダウンではないにしても様々な制限を課す権限を保持している。2020年10月に英国会でこの秘密主義を終わらせ情報を公開するよう求める動きが有ったが、政府はこの要請を却下した。

 ガーディナーは2021年6月に正式な発表無しに辞任したが、それ以降誰がこのポストに就いているのか今だに不明。英国のCOVID-19「対策」に重要な影響を及ぼす政府機関を誰が率いているのか、一般の英国民は知らされていない儘だ。

マレーシア航空17便(MH17)撃墜事件(2014年)の真相

【推奨】2014年からドンバスで9ヶ月を過ごしたドイツ人ジャーナリストによるドキュメンタリー。現地に西洋のジャーナリストなど居らず、戦争は「起こっていない」ことにされている。彼が見たのは、米国が仕掛けたマイダン・クーデター、住民達の長年の悲願だったクリミアの住民投票、ドンバスへの弾圧と、その後の多くのウクライナ軍兵士達の投降と寝返り、主客が転倒して報じられたオデッサの虐殺、妨害と隠蔽によりまともな調査が行われずその結果も公表されなかったMH17便の撃墜、ドンバス民兵達の非対称な戦い、キエフ軍の砲撃に怯え経済封鎖によって生活の術を奪われたドンバスの人々、彼等の生活を辛うじて支え続けたロシアからの人道援助、守られなかったミンスク合意、NATOによる軍事支援、そして米国企業による天然資源の採掘やGMOの人体実験、欧州への労働奴隷の提供、そして引き伸ばされたロシアとの全面戦争………西洋の大手メディアが8年間黙殺して来たウクライナの真実がここに。
Ukrainian Agony. The concealed war. Full English version by Mark Bartalmai


2015年10月に公開された、「マレーシア航空MH17便の墜落」に関するオランダ政府の調査報告書は、副操縦士の体から120を超える物体(主に金属片)が検出されたことに触れているが、これは機体がミサイルではなく機関銃の掃射を受けたことを強く示唆している。だがオランダの裁判所はこの証拠を無視することに決め、MH17はBUKミサイルによって撃墜されたと云う前提に立って検証を進めた。

 2014/08/08のウクライナのニュースサイトの報道に拠ると、オランダ、ウクライナ、ベルギー、オーストラリア(どれも米帝の同盟国であり対ロシア新冷戦の参加国)は秘密協定を結び、ウクライナが撃墜したことを示唆する証拠はどんなものであれ提出されず、調査の内容は開示されないことにされた。
Netherlands ‘Justice’ Is Totally Corrupt: The Malaysian MH17 Court Case against Russia

米国家情報長官(ODNI)は2016/08/02付けで、ハーグのオランダ軍事諜報機関MIVDに覚書を送付し、ロシアが発射したロシア製のBUKミサイルがウクライナ上空でMH-17を破壊したことを証明したと主張した。だがそれ以来、その証拠であるNATOの衛星画像や覚書の詳細をオランダの検察や裁判所が検証することを、米当局は繰り返し拒否して来た。米帝は「ロシアがやったと云う証拠を持っている」と主張しているが、それは独立した専門家に対して提出され、検証を受けたことが無い。何処かで何度も聞いた様な話ではなかろうか。

MH17 Trial Judge Reveals US Intelligence Switch — From Satellite Images Which Don’t Exist in Washington to Tapes and Videos Fabricated in Kiev

★MH17撃墜事件についてのチョスドフスキー教授による解説の要点。
マレーシア航空MH17の撃墜:真実と正義の追求。証拠のレビュー(要点)

洗脳されるウクライナの子供達

★ウクライナのルガンスクに於ける文化的ジェノサイドのドキュメンタリーの要点を纏めてみた。作成したのは元SBU職員と云う異色の経歴の持ち主。
ウクライナの文化的ジェノサイド(要点と補足)

★ウクライナのネオナチ・サマーキャンプについての記事の要点。ソースは全て西側大手メディア。
目的としての戦争: ネオナチ・トレーニング・キャンプで過激化される若きウクライナ人達(要点)

ジョージアの将軍Mamuka Mamulashviliは3つの訓練基地を建設し数百人の戦闘員を募集しているが、子供達にも軍事訓練を施しているらしい。

Mamuka Mamulashvili
 ウクライナのネオナチのアゾフ大隊が子供達をロシア人を敵として殺せる立派な戦士に鍛え上げる為のサマーキャンプについての動画。ガーディアンが2017年に公開したもの。
Ukraine's far-right children's camp: 'I want to bring up a warrior'


★「祖国防衛」と称してロシア人を殺す訓練を受けているウクライナの少年兵達についてのチョスドフスキー教授の記事の要点。視覚情報を多少増やしてみた。8年間ロシア人差別を教え込まれて来た子供達は、一体将来どんな大人に育つのだろう。
米国の「非軍事的」援助によって資金提供されたウクライナの「少年兵」の徴募(要点)

ウクライナのネオナチが国民精神を発揚する為にスポーツを利用していることを論じた記事。スポーツと肉体の鍛錬は若者を惹き付ける道具として非常に有効であり、主に12〜16歳の少年少女を対象としたサマーキャンプは、極右のイデオロギーを広め戦闘や暴力行為に慣れさせることに成功している。神話的なイメージを再活性化して肉体的な美徳(男らしさ)と愛国心を高めることにより、政治とスポーツは一体化する。
Forging the Body of the New Ukrainian Nation

大西洋評議会は、ウクライナ紛争が2014年から始まっていたことを認めた

ネオコンの主要なシンクタンクである大西洋評議会の2023/01/10の記事より。
Putin’s faltering Ukraine invasion exposes limits of Russian propaganda

 この記事で大西洋評議会は「ロシアのプロパガンダは破綻した」と云う何時もの西洋のプロパガンダを繰り返しているのだが、その中で、ウクライナ紛争が2022/02/24にロシアの特別軍事作戦によって始まったのではなく、実際には2014年以降絶え間無く続いていたことを認めている。

 「侵攻の前日に発令された命令は、ロシア軍の計画者達がウクライナの反撃能力を危険なまでに見くびっていたことを裏付けている。一見したところ、これは殆ど意味をなさない。2022年初頭までに、ウクライナは既に8年間ロシアと戦争状態にあり、20万人を超える実戦で鍛えられた人員と、数十万人の戦闘経験を持つ意欲的な予備役軍を誇っていた。この部隊は比較的よく武装され、ウクライナ東部で激化する紛争の教訓を吸収した新世代の将兵に率いられていた。」


 ここで「ロシア軍」と言われているのは実際にはドンバス軍のことで、キエフのプロパガンダでは「ドンバス軍はロシア軍から支援を受けて戦っている」と云うことになっていたので、この様な表現になる。だが実際にはロシア軍がウクライナの領土に入り込んで戦闘を行なっていたり、ドンバス軍に武器供与を行なっていたとする証拠は無い。似た様な嘘の事例は幾らも有る。例えば中国の国共内戦の際、中国共産党とソ連の繋がりが殆ど途絶えていた時期でも、中国国民党政府や諸外国のメディアは「戦場でロシア人将校の死体が発見された」と云うフェイクニュースを流し続けた。これにより事情を知らない中国の農民達の中には、「中国紅軍は祖国解放の為ではなく、外国の侵略者の為に戦っている」と本気で信じた人も多かったが、実際には外国の侵略者(日本帝国)と共謀していたのは蒋介石の国民党の方だ。



 因みに大西洋評議会のこの記事は、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻が予め入念に準備されたものではなく、土壇場になって決定されたことをも裏付けている。NATO側の交渉の意思が一切無かった以上、開戦は何れ避けられないものではあったかも知れないが、そのタイミングを決めたのはロシアではなくキエフの方だった。復習の為に関連する出来事を時系列で並べておくと、
 ・2022/02/16:キエフ軍によるドンバスへの砲撃が激化。
 ・2022/02/19:ミュンヘン安全保障会議でゼレンスキーが核開発を仄めかす。
 ・2022/02/21:プーチン大統領がドネツク・ルガガンスク両共和国を承認(集団的自衛権発動の法的根拠を確保)。
 ・2022/02/24:ウクライナに対するロシア軍の特別軍事作戦が開始される。

 プーチンが最後まで外交交渉に望みを掛けていたことは明らかだ。4月の時点でもまだそのチャンスは有ったのだが、ボリス・ジョンソンの介入によってそれもおじゃんになった。

欧州議会の「特別法廷」は見掛けとは違う(要点)

欧州議会の「特別法廷」なる茶番についての、地政学アナリスト、アンドリュー・コリブコ氏の分析。NATO界隈がこの手の茶番をやらかすのはこれが初めてではないが、国際法秩序にとって非常に憂慮すべき数々の前例が作り出されて来てしまっている。
The European Parliament’s “Special Tribunal” Isn’t What It Seems



 2023//01/18、欧州議会は「ウクライナに対する侵略犯罪に関する法廷の設置に関する決議の為の共同動議」を圧倒的多数で可決。ウクライナでのロシアの特別軍事作戦の過程で実行されたとされるロシアの戦争犯罪を調査するのが目的、と云うことになっている。この決議に法的拘束力は無いものの、加盟諸国の政策決定に大きく影響を与える。

 この決議について取り敢えず押さえておくべきポイントは3つ:

 1)ウクライナはローマ規定を批准しておらず、従って国際刑事裁判所には正式に参加出来ない(但し協力はしている)。この特別法廷の設置は、ひとつにはこの法的空白を埋める為の措置だ。

 2)この特別法廷はベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と軍・政治指導者達を、ベラルーシがロシアの「侵略犯罪」を「可能にする国家」であると云う理由から調査することになっている。が、ローマ規定にはこの「可能にする国家」なる概念についての規定は存在しない。つまり欧州議会は自らの政治的関心から、新しい法的概念を(またしても!)勝手に発明した。

 3)この特別法廷は、「ロシア国家の主権資産を賠償金として使用する法的可能性について議論する」よう促しており、主権免責(主権国家は他国の法に属さない)と云う、国際慣習法の原則のひとつを一方的に破棄する可能性を示唆している。

 

 1)については、国連と国連機関を迂回して私的な準法的構造を勝手に作り上げようとしている点が大問題だ。こんなことが許されれば、国際法とは一体誰が決めるものかと云う話になる。

 2)については、EUの官僚達は、ウクライナ紛争に関する彼等の側の解釈が道徳的に正しく、且つ法的に健全だと周囲を納得させようと試みているが、その為なら勝手に新しい法的概念を発明することも厭わないと云うことだ。

 3)については、欧州に対する全世界の信頼を損なうことになる。ロシアは違法な資産強奪の犠牲者になった。次は誰だ? 自分達かも知れない。そんな相手を誰が信用する?



 この特別法廷は、西洋諸国の所謂「ルールに基付く秩序」を象徴する最たるものだ。つまり「俺達の言うことこそが世界のルールであり法なのだ。既存の国際法など糞食らえ。他の全ての国々は俺達の言うことに黙って従えば良いんだ」と云うことだ。「ルールに基付く秩序」なるものは、実際にはルール無き一極覇権秩序のことなのだ。

ドニエプルのアパート破壊の真相

ドニエプルのアパートに落下したロシアのミサイルは、キエフ軍の防空システムが撃ち落としたものであることを証言した後に辞任した元大統領上級顧問アレクセイ・アレストヴィッチはインタビューで、「戦争に勝つことが保証されていると誰もが考えているとしたら、それは非常に有りそうもないことだ」と発言。数日前のポーランドのドゥダ大統領の、紛争の「決定的な瞬間」が数週間か数ヵ月で来る可能性が有ると云う発言について触れ、「ウクライナが生き残るかどうかは基本的に確実ではありません」と述べ、そしてまたウクライナは「軍事的な機会を逃しただけでなく、時間を失いました。ロシアは動員を始め、前線の状況を回復し、或る場所では優位性さえ作り出しました」、そして「西洋諸国が(ウクライナに)武器を与えなかっただけでなく、国内と国家の(政策の)観点から、我々は公的な機会を逃したのです」と発言した。肩書きが無くなった途端にまともなことを言い始める人は多いが、アレストヴィッチ氏もその一人の様だ。まぁ今のウクライナで真実を語ることは犯罪なので、こんなことを口にしてしまって果たしてこの先無事で居られるかどうか。
Ex-Zelensky aide casts doubt on Ukraine’s military fortunes

コリブコ氏の記事。ウクライナ大統上級顧問アレクセイ・アレストヴィッチは、ドニエプルのアパートがロシアのミサイルによって破壊されたのは、キエフの防空システムがそのミサイルを撃墜した為であることをYoutubeのインタビューで認めた後、Facebookに辞任状を投稿した(このナチ界隈の連中は世界中に自分達の言動を曝すのが本当に大好きだ)。まぁ当然、彼自身の希望ではなかっただろう。今のウクライナで真実を語ることは命取り。SBU(キエフのゲシュタポ)かそのヒットマンに狙われるよりは、辞任した方がマシだろう。
Alexey Arestovich resign
The Resignation Of Zelensky’s Senior Advisor Alexey Arestovich Makes Kiev Look Very Bad

2022/01/14にキエフ軍の防空システムに撃墜されたロシアのミサイルに落下した問題について、ロシアのペシュコフ報道官は「ロシア軍は、住宅や社会インフラ施設を標的にしません。攻撃は軍事目標のみを狙っています」と云うことを再確認(因みに私も全ての事例は到底カヴァー出来ていないものの、主要な事例については、ロシア側の主張通りであろうと最初から思っている。ロシア軍が全く戦争犯罪を犯さなかったかと言われれば、検証してみればこれからそう云う事例が出て来る可能性は残っているが、キエフ側の主張は大抵嘘であろうと思う。キエフ当局がロシア軍の仕業だと主張している戦争犯罪は基本的に、キエフ軍の所業をその儘投影しただけのものだ。個々の事例のファクトチェックについては過去の書き込みを参照して欲しい)。今回の事件がキエフ軍の失態であることを認めたアレストヴィッチにはキエフ当局の一部からも、軍の信用を失墜させたと非難が巻き起こっている様で、ドエニプル市長は彼のことを「口の汚いナルシストのケダモノ」と扱き下ろし、SBU(ウクライナ保安庁。キエフ版のゲシュタポ)の介入を促した。
Kremlin reacts to blast at residential building in Ukraine

ゼレンスキーの上級顧問アレクセイ・アレストヴィッチに拠ると、2022/01/14にドニエプルのアパートの建物に落ちたロシアのミサイルは、21人の死者と73人の負傷者を出したが、これはキエフ軍の防空システムによって撃墜されたものが落下時に爆発したものだと述べた。つまりロシア軍がこの建物を狙った訳ではないことを、キエフ当局が認めた。が、彼に拠れば死傷者が出た責任はロシア側に在るらしい。「ロシアの攻撃が無ければ、悲劇は起こらなかっただろう」からだそうだ。「誰もウクライナを非難しないでしょう。我々の防空ミサイルがポーランドに落下し、ポーランド市民2人を殺害した時も非難されませんでした。それと同じです。」まぁポーランド市民が彼の見解に同意するかどうかは知らないが。因みにロシア軍の防空システムが同様の問題を起こした事例は、私は寡聞にして知らない。
Zelensky aide explains how missile fell on apartment block in Dnepr
Kiev's own air defense caused missile to fall on apartment block - Zelensky aide

テディ・ルーズベルトは自然保護を推進し、ネイティヴ・アメリカンの土地を奪った(要点と補足)

狩猟好きで知られた米大統領セオドア・ルーズヴェルトを題材に、環境保護運動の暗黒面を描いた記事の要点を纏め、多少補足してみる。自然保護と言うと聞こえは良いが、この運動は白人が非白人(「非人間」と見做された人々)から土地を強奪する侵略事業と並行して展開して来たことを忘れてしまうと、状況の全体像について酷く歪んだ理解を持つことになる。
Teddy Roosevelt Championed Conservation Efforts—That Also Displaced Native Americans



 セオドア・ルーヴェルト米大統領は自然保護運動に熱心で、数多くの国立公園や国定記念物を推進した。彼の業績を細かく述べると:
 ・150の国有林
 ・51の連邦野鳥保護区
 ・4つの国立鳥獣保護区
 ・5つの国立公園
 ・18の国定記念物
 そして1905年には国立森林局を設立し、合計すると約2億3,000万エーカーを公有地にした。

 彼を記念した「セオドア・ルーズヴェルト自然保護パートナーシップ」なる組織まで作られている。その目的はハンターや釣り人が十分に楽しめる様な自然環境整備を行い、「米国の8,870億ドル規模のアウトドア・レクリエーション経済」への投資を促進することだ。「自然を愛する」と言っても、要するに金銭的に余裕の有る白人層の娯楽向きに自然を作り変えることを推進している訳で、人々の生計と関わり合うものとしての自然は、この組織の視野には入っていない。

 19世紀を通じて、アメリカ先住民は詐欺的条約や暴力的な強制移住によって先祖代々の土地から徐々に追い出されて来た。国立公園・森林の設立はルーズヴェルトの時代より数十年前から始まっていたが、この動きはルーズヴェルト政権によって大きく加速された。これにより先住民にとっての神聖な土地が数多く奪われることになった。例えば1907年に初めて指定されたニューメキシコ州のチャコ文化国立歴史公園は、連邦政府が承認した39の部族にとって重要な意味を持つ土地だった。

 環境史家のセオドア・キャットンの計算では、先住民の部族の土地は合計約8,600万エーカーが国有林に移されたが、その多くがルーズヴェルトの在任中のことだった。米国の423の国立公園は合計約8,500万エーカーだが、これも大部分が曾ては先住民の領地だった。「自然保護運動の高まりは、インディアンの土地遺産の国家的な大売出しと重なる」とキャットンは書いている。

 ネズパース国立歴史公園の文化資源プログラム・マネージャー、タビサ・アーディ氏はこう語っている、「これらの地域を旅し、利用していた先住民は、これらの地域を熟知していました。」対照的に、「欧米人はこれらの地域を荒野として、文明と管理を必要とする何も無い空間として見ていました。」


 因みにルーズヴェルトは激しい人種的偏見の持ち主としても知られている。彼は1886年にこう発言している「良いインディアンは死んだインディアンだけだ、とまでは思わないが、10人中9人はそうだと思うし、10人目のケースについては余り詳しく調べたくない。」

 ルーズヴェルトのアドヴァイザーを務めたナチュラリストのジョン・ミューアもこの点は同様で、彼が1894年にシエラ山脈を賛美する本を出版した時、この荒野を「自然の手によってのみ書かれた原稿」と呼んだが、その同じ土地のヨセミテ峡谷でミウォック・インディアンが野焼きを行い、ドングリを取る為に巨大なオークの刈り払いや手入れをしていた事実を完全に無視した。彼はこの地域の動植物については詳しく述べているが、そこで生活している先住民については、峠でモノ・インディアンの一団に出会った時のことしか触れていない。「(彼等は)殆どが醜く、中には全く見苦しい者も居た。(中略)何故だか彼等は風景の中に適切な居場所を持たない様に見えた。彼等が峠を下って見えなくなって行くのを見てほっとした。」

 ヨーロッパ系アメリカ人が移民するずっと前からこれらの原生地域を管理して来た先住民族にとって、公園への指定は家や食料源、聖地を更に失うことを意味した。ブラックフット族のケースでは、居留地に押し込められて飢餓に直面した後、彼等はそこで狩猟出来ると云う条件付きで、80万エーカーの居留地を政府に売却した。酋長達は聖域の喪失を非難し。1895年には内務長官に手紙を書いたが、1897年に森林保護区、1910年にグレイシャー国立公園の一部となることで、そこでの彼等の伝統的な活動は更に制限されることになった。

 オグララ・スー族の精神的指導者であるブラック・エルクは1929年に、バッドランズ国定記念物やブラックヒルズからの先住民の立ち退きを非難した上で、若い頃は動物も人間も「親戚の様に一緒に暮らしていて、彼等にも私達にも十分なものがあった」と回想している。

ステルス・ゲーム: 「コミュニティ」自然保護区がケニア北部の土地と生活を荒廃させる(要点)

2021/11/16、オークランド研究所の「ステルス・ゲーム: 「コミュニティ」自然保護区がケニア北部の土地と生活を荒廃させる」。の要点。「野生動物保護」は植民地支配を実質的に存続させる為の恰好の口実として機能している。
Stealth Game: "Community" Conservancies Devastate Land & Lives in Northern Kenya



 民営化された新植民地時代の野生生物保護とサファリ・ツーリズムには「参加型」「コミュニティ主導」「地域のエンパワーメント」等の心地良い用語が使われているが、実際にはこの動きを主導しているのは Northern Rangelands Trust(NRT)とケニア野生生物サーヴィス(KWS)であって、地元の牧畜民コミュニティは彼等によって先祖代々の土地を奪われている。

 「野生生物保護区」を作る為に不正や買収が横行し、時には武装した治安部隊による脅迫や暴力が用いられている。それどころかNRTは安全保障や放牧地の管理、家畜のマーケティングにまで口を出しており、ケニア政府の管理を凌いでいる。

 NRTは大英帝国の植民地時代(ケニアの独立は1963年。但しその後も英連邦王国の一員に留まっている)のエリート白人ファミリーの一員だったイアン・クレイグによって1980年代に設立されたが、彼は自分の家族経営の牧場を最初の保護区に変えた。

 地元のコミュニティは民族間紛争への関与や虐待や超法規的殺害についてNRTを訴えようとしている。

 この人権侵害組織NRTのパートナー一覧は以下の通り。USAID、EU、デンマークとフランスの開発機関、スウェーデン、米国務省、FRB、WWF、ナショナル・ジオグラフィック、The Nature Conservancy(TNC)や Space for Giants を含む大規模環境NGO等々。


Northern Rangelands Trust

ロシア、ウクライナ、戦争法:侵略の犯罪(要点)

ロシア軍のウクライナに於ける特別軍事作戦が、プーチン大統領の主張する様に国連憲章第51条の適用範囲なのかどうかについては既に何人もの人が解説を行なっているが、これはスコット・リッター氏による分析。イラクの査察を担当した人だけあって、米軍がイラクやコソボに爆弾を落とした時の事例を引き合いに出して丁寧に論理的に説き起こしている。
Russia, Ukraine & the Law of War: Crime of Aggression



 纏めの部分だけ抜き出すと、ポイントとなる事実は3つで、

 1)キエフ軍は2014年以降ドンバスに対して砲撃を続け、何千人も殺害して来たことは否定し様の無い事実。

 2)ロシアは、キエフ軍がドンバスへの大規模な軍事侵攻の準備をしていたとする証拠を握っていると主張しており、その主張内容を裏付ける諸事実も確認されている。

 3)ロシアは核兵器に関するウクライナの意図を明確にし、事実ゼレンスキーはミュンヘン安全保障会議で核兵器保有を仄めかした。

 若しロシア軍の特別軍事作戦に関して、「先制的集団自衛権」「人道的介入」などと云う概念が無効だと宣言するのであれば、それは自動的に、冷戦後に米軍やNATOが行なって来た数々の侵略行為も違法だと云うことになる。しかも後者の場合は捏造された危機に対応する為のものだったが、ロシアの場合は本物の危機に対応する為のものだ。「ロシア軍の特別軍事作戦は国連憲章違反」と云う主張はその儘ブーメランになってNATO諸国に降り掛かって来る。米軍やNATO軍の作戦が合法なのであれば、ロシア軍の作戦はそれら以上に合法でなくてはおかしい。米軍やNATO軍がやれば合法だが、ロシア軍がやれば違法だ、などと主張するのは明白な二重基準だ。



 ………まぁテクニカルな議論は好きなだけやれば良いだろうが、この場合、懸かっているのは第2のキューバ危機だった。ロシアが軍事介入を行わずに状況を座視していれば、高確率で第三次世界大戦かその寸前の状況に突入していた訳で、ロシア軍を非難している方々はその辺のリスクを覚悟した上で発言しているのだろうか。多分全く理解してないよね。「ロシアを非難する為だったら世界が滅んでも構わない」と云う信条の持ち主はまぁお好きにすれば良いと思うが、そんな狂気に世界中の人々を巻き込むのは是非とも止めて欲しい。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると助かります。
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